毎年ゴールデンウィーク期間にびわ湖ホールをメイン会場として開催されている「近江の春 びわ湖クラシック音楽祭」。2月28日に記者会見が行われ、2022年のプログラムが発表された。登壇者はびわ湖ホール芸術監督の沼尻竜典、同ホール館長山中隆、同ホール総括プロデューサー舘脇昭の3名。
2018年にスタートし、今年で4回目を迎える同音楽祭(2020年はコロナ禍の影響により中止)。今年のテーマは「さようなら、故郷の家よ」(カタラーニの歌劇《ワリー》より)。来年3月に任期満了となる沼尻がプロデュースする最後の音楽祭となる。4月29日の前日祭から5月1日まで全14公演が予定されているほか、滋賀県内各地で関連コンサートも開催される。また、昨年オーストリア政府観光局のツイートで、オーストリアと琵琶湖の形が似ていると話題になったことがきっかけとなり、今年の音楽祭期間中の2日間、びわ湖ホール中ホールで「オーストリア展」が開かれる予定。
4月29日の前日祭は、びわ湖ホール声楽アンサンブル・ソロ登録メンバーで構成された「近江の春祝祭声楽アンサンブル」のコンサートでスタート。「素晴らしき日本の歌」と題され、無料ライブ配信も行われる(最終日の5月1日までアーカイブ配信あり)。その他の公演では上村文乃(チェロ)、川口成彦(フォルテピアノ)、宮里直樹(テノール)、戸田弥生(ヴァイオリン)、清水和音(ピアノ)、アレッサンドロ・ベヴェラリ(クラリネット)、児玉麻里(ピアノ)ら様々なアーティストが登場予定。5月1日にはソプラノの冨平安希子と沼尻のピアノで、0歳児から入場可能なコンサートも開催する。
そして今年は大規模なオーケストラ公演も予定されており、4月30日のオープニング・コンサートでは、沼尻指揮京響がソプラノの砂川涼子とピアノの小山実稚恵をソリストに迎え、〈さようなら、故郷の家よ〉とラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」を披露。同日午後には大植英次指揮大阪フィル、5月1日には高関健指揮京響&牛田智大(ピアノ)が登場するほか、グランド・フィナーレでは大植指揮大阪フィルが、ソリストたちと共に華やかに音楽祭を締めくくる。
沼尻はこれまでの音楽祭を振り返り、「これまでの公演を通して、音楽祭をつくること、プロデュースすること自体を楽しんできた。演奏家の方々が自発的に楽しそうに出演してくれたのも良かった。印象に残っているのは、大津祭のお囃子を舞台でやって、改めて素晴らしいものだとわかったこと。コロナ禍が終わったら、そのような地元を大切にする企画もまたぜひやって欲しい」と述べ、最後に「阪哲朗さん(びわ湖ホール芸術参与・次期芸術監督予定)も、今までのやり方にこだわらず、まったく新しい発想を持って音楽祭の火を絶やさないでいただきたい」と語った。
〈プログラム一覧〉
2022.4/29(金・祝)
【13:00】素晴らしき日本の歌
出演:近江の春祝祭声楽アンサンブル 他
【14:45】ショパンが聴いたショパン
出演:上村文乃(チェロ)、川口成彦(フォルテピアノ)
2022.4/30(土)
【10:00】出会いと別れ 〜1843年製プレイエルと共に〜
出演:川口成彦(フォルテピアノ)
【11:00】オープニング・コンサート
出演:京都市交響楽団、沼尻竜典(指揮)、砂川涼子(ソプラノ)、小山実稚恵(ピアノ)
開会宣言:三日月大造(滋賀県知事)
【12:30】プリモ登場!
出演:宮里直樹(テノール)、河原忠之(ピアノ)
【14:30】至高の二重奏
出演:戸田弥生(ヴァイオリン)、清水和音(ピアノ)
【15:30】大阪フィルハーモニー交響楽団、大植英次(指揮)
【17:00】晴れ晴れコンサート
出演:晴雅彦(バリトン)、伊藤晴(ソプラノ)、河原忠之(ピアノ)
2022.5/1(日)
【10:00】0歳児からのコンサート
出演:冨平安希子(ソプラノ)、沼尻竜典(ピアノ)
【11:40】東京フィル首席奏者の凱旋!!
出演:アレッサンドロ・ベヴェラリ(クラリネット)、石井美由紀(ピアノ)
【13:00】京都市交響楽団、高関健(指揮)、牛田智大(ピアノ)
【14:20】オペラ合唱名曲選
出演:びわ湖ホール 声楽アンサンブル、河原忠之(指揮・ピアノ)
【16:00】いざ傑作の森へ!2
出演:児玉麻里(ピアノ)
【17:00】グランド・フィナーレ
出演:大阪フィルハーモニー交響楽団、大植英次(指揮)、上村文乃(チェロ)、伊藤晴(ソプラノ)、晴雅彦(バリトン)、冨平安希子(ソプラノ)、宮里直樹(テノール)、びわ湖ホール声楽アンサンブル
近江の春 びわ湖クラシック音楽祭2022
https://festival.biwako-hall.or.jp/2022/
※音楽祭の詳細は、上記ウェブサイトにてご確認ください。
3/19(土)発売