藤田朋子(朗読) × 桑山哲也(作曲・アコーディオン) 音楽朗読劇 ふたりの詩

朗読と音楽で描く金子みすゞの生涯

 最近ではバラエティ番組での存在感が際立つ藤田朋子・桑山哲也夫妻。「倹約家の女優の妻に振り回されながらも笑顔で見守る良き旦那」のイメージが定着している桑山だが、本業は、6歳からアコーディオンを学び、日本でただ一人ベルギー式ボタン・アコーディオンを操るアコーディオン奏者にして作曲家だ。
 二人が女優と音楽家として、互いの本業で真剣勝負しようとスタートした音楽朗読劇の企画第1弾が『ふたりの詩(うた)』。童謡詩人金子みすゞの伝記『みんなを好きに―金子みすゞ物語』(矢崎節夫著)が原作で、朗読劇化したのは、藤田が1990年の第1シリーズから出演した国民的ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』のプロデューサー石井ふく子だ。500篇以上の作品をのこして26歳という短い生涯を駆け抜けた女性詩人の生き方を、朗読と切なく情熱的なアコーディオンの音色で辿る。テーマ曲は現在桑山が作曲中とのこと。
 音楽朗読劇の前半に続き、後半はアコーディオンを中心に、ピアノも加えておなじみのナンバーが登場するコンサート。もちろん桑山の守備範囲だが、実は藤田のデビューはミュージカル『レ・ミゼラブル』だった。1988年にNHKの朝ドラ『ノンちゃんの夢』で主役デビュー後には歌手デビューも果たし、今も女優業の傍ら音楽活動を続けている彼女。この原稿執筆時点の情報では、藤田も一部歌う予定とのことなので、二人の本業を、フルに満喫できる機会になりそうだ。
文:宮本 明
(ぶらあぼ 2017年3月号から)

3/24(金)19:00 三越劇場
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