第6回 仙台国際音楽コンクール

若い才能たちがコンチェルトで火花を散らす

前回の模様(ピアノ部門優勝のソヌ・イェゴン) 写真提供:仙台国際音楽コンクール
前回の模様(ピアノ部門優勝のソヌ・イェゴン) 写真提供:仙台国際音楽コンクール
 2001年に創設され、今年第6回目の開催を迎える仙台国際音楽コンクール。5月21日〜6月5日にはヴァイオリン部門が、6月11日〜26日にはピアノ部門が行われる。
 ヨーロッパの歴史あるものに比べれば若いコンクールだが、課題曲を協奏曲中心とする特色のため、初回から実力ある出場者が集って注目された。彼らにとって、コンクールの早いラウンドからプロのオーケストラと共演できることは大きな魅力なのだ。過去の入賞者に、ピアノ部門ではユジャ・ワンやヴァディム・ホロデンコ(ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール優勝)、ヴァイオリン部門では松山冴花やクララ・ジュミ・カンなどがいる。
 今回の開催の特徴をいくつか見ていこう。まず、ヴァイオリン部門の審査委員長には新たに堀米ゆず子が就任、ファイナルではギドン・クレーメルも審査委員を務める。また、両部門ともファイナルの協奏曲はこれまでの1曲から2曲となり、より聴きごたえが増す。
 共演する指揮者は、ヴァイオリン部門が広上淳一、ピアノ部門がパスカル・ヴェロ。ヴェロは06年の仙台フィル常任指揮者就任以来、意欲的なプログラミングで同オーケストラを牽引する存在でもある。二人のベテラン指揮者が、コンクールという特殊な状況で若者とどんな音楽を創りだすのかも興味深い。
 審査は公開で実施され、演奏はネットでも配信される。予選から聴いていけば、自分だけのお気に入りの若手奏者と出会えるかもしれない。
 出場者は2月15日に発表されたばかり。本大会を楽しみに待ちたい。
文:高坂はる香
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年3月号から)

【ヴァイオリン部門】
予選:5/21(土)〜5/23(月) セミファイナル:5/27(金)〜5/29(日)
ファイナル:6/2(木)〜6/4(土) 入賞者記念ガラコンサート:6/5(日)
【ピアノ部門】
予選:6/11(土)〜6/13(月) セミファイナル:6/17(金)〜6/19(日)
ファイナル:6/23(木)〜6/25(土) 入賞者記念ガラコンサート:6/26(日)
日立システムズホール仙台コンサートホール(仙台市青年文化センター)
問:仙台国際音楽コンクール事務局022-727-1872
http://simc.jp