GERO 旗揚げ公演『くちからでる』

キーワードは“声・言葉”

伊藤キム ©竹田岳
伊藤キム ©竹田岳
 日本のコンテンポラリー・ダンスの黎明期から話題作を連発して活躍していた伊藤キム。しかし2005年に「ダンスに興味がなくなった」と創作活動停止を宣言して世間を驚かせた(過去作品・他人の作品へは出演する)。そんな伊藤が20代の若手と50代も含む8人で構成する新カンパニーを立ち上げて、旗揚げ公演を行う。
 変わったタイトルだ。口から出るものと言えば、声・言葉、呼気、そしてゲロである。カンパニー名「GERO」はここから来ている。芸術とは内部に抱えているものを掴んで引っ張り出すこと、すなわちゲロである、という伊藤のこだわりだ。
 そして作品のテーマとなるのは「声・言葉」だという。身体と「声・言葉」との関わりをカンパニー全体のテーマとしつつ、ダンスがさらに多くの人に浸透するように活動をしていくのだそうだ。
 10年間冷めていた伊藤の魂を、ふたたび創作に向かわせたものとは何なのか。新しいメンバー達と何をしでかすか、注目して待ちたい。
文:乗越たかお
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年1月号から)

2016.1/15(金)〜1/17(日)
KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
問:GERO 080-9145-4021 
http://www.gero.kim