Tag Archive for ナタリー・シュトゥッツマン

ナタリー・シュトゥッツマン(コントラルト/指揮) & オルフェオ55

希代のコントラルトが魅せるバロック作品集  女性の最も深々とした声音を聴きたければ、ナタリー・シュトゥッツマンの舞台へどうぞ。オペラでも近代の歌曲でも、歌声が放つ濃紺の光が客席を包み込むだろう。フレージングが冴えても響きは柔らかいまま。「別格の天然の美声」ゆえの資質である。  一方、今のシュトゥッツマンには、もう一つの…

〈歌曲の森〉〜詩と音楽 Gedichte und Musik〜 第21篇・第22篇 ナタリー・シュトゥッツマン シューベルトを歌う

新たな試みでシューベルトの心象風景を描く  『歌曲(リート)の森』のシリーズは、トッパンホールの自主企画公演の柱のひとつ。文字どおり、ドイツリートに光を当てた貴重な好企画で、2008年のスタート以来、クリストフ・プレガルディエンやイアン・ボストリッジ、マーク・パドモアら、豪華な顔ぶれが次々と登場して、ドイツリートの奥深…

音楽堂 ヴィルトゥオーゾ・シリーズ 19 ナタリー・シュトゥッツマン(コントラルト)

室内楽伴奏で味わうシューベルトの歌曲  世界的なコントラルトとして名高いだけでなく、近年は指揮での活躍も目覚ましいナタリー・シュトゥッツマンだが、5月に神奈川県立音楽堂が企画するヴィルトゥオーゾ・シリーズでは、その歌声で再登場する。  2014年の同シリーズ第12回ではフランス歌曲のエスプリを味わわせてくれたが、今回は…

アルカスSASEBO 「Mプロジェクト」

 アルカスSASEBOの『Mプロジェクト』は、年間を通じて1人の作曲家に着目し、異なるステージで同じ作曲家の作品を取り上げる中から、その音楽のみならず、人間像まで掘り下げてゆくオリジナル企画。2年目となる平成29年度は、生誕220年を迎えたシューベルトをテーマに据える。たくさんある魅力的な公演からいくつかご紹介しよう。…

ナタリー・シュトゥッツマン(指揮) 水戸室内管弦楽団

世紀を超えた3名曲の繋がりが明らかに  水戸室内管弦楽団の10月定期では、ナタリー・シュトゥッツマンがタクトを取る。コントラルト歌手として著名なシュトゥッツマンだが、近年は指揮者としてもなじみの顔になってきた。もともと指揮への関心は高く、歌手の地位を確立した後に積年の夢の実現に乗り出したのだが、道を開いてくれたのが小澤…

ナタリー・シュトゥッツマン(指揮)

歌手として恵まれた今こそ指揮者への道を  当代随一のコントラルト歌手ナタリー・シュトゥッツマンは、近年指揮者としてのキャリアを築きつつある。2009年に「オルフェオ55」という室内オーケストラを創設し、自ら指揮台に立っており、日本でも水戸室内管や小澤征爾音楽塾などで指揮を披露している。そして遂にこの9月、新日本フィルの…

セイジ・オザワ 松本フェスティバル

名実ともに巨匠・小澤の音楽祭がいよいよ始動!  「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」は、今年から「セイジ・オザワ 松本フェスティバル」に名称を変更した。“新フェスティバル”のメインは、2年ぶりに総監督・小澤征爾がオペラの指揮を執る、ベルリオーズの《ベアトリスとベネディクト》に他ならない。シェイクスピアの『空騒ぎ』を…

小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトⅩⅢ ラヴェル 歌劇《子どもと魔法》

小澤が繰り広げるファンタジックな世界  若手音楽家を一流演奏家がコーチして、熟練のスタッフたちと大舞台を作り上げる小澤征爾音楽塾。2000年から始動したオペラ・プロジェクトも13回目となる。今年はファンタジックで色彩感満点の《子どもと魔法》(ラヴェル)だ。  音楽塾は前回からオペラ・ドラマティコという形式を採用している…

小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトⅩⅢ ラヴェル 歌劇《子どもと魔法》

小澤が繰り広げるファンタジックな世界  若手音楽家を一流演奏家がコーチして、熟練のスタッフたちと大舞台を作り上げる小澤征爾音楽塾。2000年から始動したオペラ・プロジェクトも13回目となる。今年はファンタジックで色彩感満点の《子どもと魔法》(ラヴェル)だ。  音楽塾は前回からオペラ・ドラマティコという形式を採用している…

シャルル・デュトワ(指揮) NHK交響楽団 《ペレアスとメリザンド》演奏会形式

実力派ソリストたちがデュトワの元に集結  歌劇《ペレアスとメリザンド》には独自の「2大特徴」がある。一つはテーマが「寂しさ」であること。オペラと言えば刺したり呪ったりのイメージがある中で、この傑作を支配するのは、家族にすら理解されない「心の寂寥感」なのだ。  悲劇は、アルモンド王国に迷い込んだ謎の女メリザンドが、夫で王…