ピアニストの小菅優、小曽根真が芸術選奨を受賞

 平成25年度(第64回)芸術選奨の贈呈式が19日、東京都内で行われた。

 ジャズピアニストでクラシック音楽にも活発に取り組む小曽根真が文部科学大臣賞(大衆芸能部門)を、ピアニストの小菅優が文部科学大臣新人賞(音楽部門)を受賞した。

 小曽根真にとって平成25年は日本人初の米CBSデビューから30年。師でもあるゲイリー・バートンとのワールド・ツアーから30年。そのバートンとのデュオCDと演奏会が大きな話題となるなど、最良のメモリアル・イヤーだった。また、ジャズとクラシックとの間を軽快に往来し,カテゴリーの壁をいとも楽しげにくぐり抜けて音楽への愛をアピールしたことが評価された。

 また小菅優は、紀尾井ホール及びいずみホールで行っているベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会の、優れた造形力と豊かで強靱な表現力が評価された。

 新人賞の受賞者を代表して挨拶にたった小菅は、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会について次のように語った。

「音楽だけでなく、すばらしい芸術に触れたとき、それに感動し魂が揺さぶられます。それは単に感動したというだけでなく、何ヶ月たっても忘れられないメッセージがあったり、未来について考えさせられたりします。ピアノが好きで9歳からやっていますが、本当にまっすぐに芸術の道を歩んで来ていたか、疑問に思うこともありました。そこで思い立ったのがベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会です。ベートーヴェンは、たくさんの苦悩にもかかわらず、世の中がよくなるようにとメッセージを投げかけたり、時には反抗しながらも訴え続けてきた作曲家だと思います。20代前半にそのような大規模なプロジェクトは早いのではないかと反対されましたが、若いからこそ、自分と同じ世代の人たちに考えてほしいことを訴えられるんじゃないかという思いではじめました」

(2014年3月19日 都市センターホテル Photo:M.Terashi,J.Otsuka/TokyoMDE)

■小菅優 ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ
全曲演奏会シリーズ<第7回>

2014年6月20日 (金) 19:00 紀尾井ホール
全指定席¥5,000

ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第5番 ハ短調 Op.11-1
       ピアノ・ソナタ第11番 変ロ長調 Op.22
       ピアノ・ソナタ第29番 変ロ長調 Op.106 「ハンマークラヴィア」

チケット:ローチケ Lコード32608