高関 健(指揮) 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

生命力あふれる20世紀アメリカ音楽とロシアの熱きサウンドを

 組織のトップは、ピンチの際にその存在が問われる。2020-21年度を振り返ると、東京シティ・フィルも出演者や演目の変更が続いたが、常任指揮者の高関健が幾度も急場を救った。演目変更を余儀なくされても出色のアイディアで対応し(3月定期のヴェルディ→ショスタコーヴィチなど)、かつ最高レベルの演奏を作り上げ、頼もしいシェフとして楽団と聴衆を盛り上げたのである。

 新たな21-22シーズンは4月ティアラこうとう定期で始まる。昨年5月、高関と同楽団は、生誕120年・没後30年だった20世紀アメリカのコープランド(1900〜90)と、19世紀ロシアのチャイコフスキーを組み合わせた演奏会を予定していたが、残念ながら公演中止に。しかしその1年後、同じ作曲家の組み合わせによる、ひねりの効いた「米露プログラム」が再登場することになった。

 コープランドは、アメリカ東部アパラチア高原での開拓民の結婚を描写したバレエ組曲「アパラチアの春」と、ジャズ・クラリネットの巨匠ベニー・グッドマンの依頼で書かれたクラリネット協奏曲の2曲。ソリストは同楽団首席奏者の山口真由で、楽団の仲間に囲まれながら、透明感ある楽曲の抒情と名技を聴かせる。チャイコフスキーは、対照的に濃密な情感と重厚な響きに満ちた交響曲第4番。絆を深めたコンビによる、緻密にして熱い名演への期待が高まる。タイプの異なる作品の面白さを体感できるのもライブの楽しさ。アメリカの穏やかな自然の光景からロシアの熱狂のフィナーレまで、ついに実現するライブで満喫したい。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2021年4月号より)

第65回 ティアラこうとう定期演奏会 
2021.4/17(土)15:00 ティアラこうとう
問:東京シティ・フィル チケットサービス03-5624-4002 
https://www.cityphil.jp