【SACD】LIVE from MUZA!《名曲全集第155回》サン=サーンス:交響曲第3番 他/大友直人&東響

 今に至る厳しい状況の初期だった3月8日、東京交響楽団の無観客公演の動画配信が行われ、なんと10万人以上がアクセス、ニュースにもなった。その“ライヴ”CDが早くもリリース。筆者も当日視聴したが、ビギナーからかなりの愛好家までが同居してコメントが飛び交う予想外の楽しさに、東響らしい美しくもエモーショナルな熱演、ピアノの黒沼のフレッシュな感性、大木の端正で美しいオルガン、そして実に絵になる大友の指揮ぶりなど、リアルタイムの高揚感までこの録音で再現される思い。特にサン=サーンスの覇気に満ちた名演は、出演者、関係者の思いが集約した、感動的な記録となった。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2020年6月号より)

【information】
SACD『LIVE from MUZA!《名曲全集第155回》サン=サーンス:交響曲第3番 他/大友直人&東響』

ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲/ラヴェル:ピアノ協奏曲/サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付」

大友直人(指揮) 東京交響楽団
黒沼香恋(ピアノ)
大木麻理(オルガン)

収録:2020年3月、ミューザ川崎シンフォニーホール(無観客ライヴ)
オクタヴィア・レコード
OVCL-00726 ¥3200+税