アーティストメッセージ(34)~篠﨑靖男/安藤赴美子

C)Benjamin Ealovega

篠﨑靖男(指揮)

 数カ月前までは、当たり前のように生活をし、指揮をし、自由に海外でも活動しておりました。そして、当然の如く、満足だけでなく、同時に不満も持って生きていました。ところが、今となっては、本当に幸せだった事が良く分かりました。終息後は、不安なく家族と生活をし、自由に友人と会い、指揮を出来る事のありがたさを大切にする自分になっていると思います。そして、どんな音楽でも、たとえ、CMで流れている音楽でも、立ち止まって聴いている自分がいます。自分にとって、人々にとって、これほどまで音楽の存在は大きいのだと良く分かりました。

 再び、指揮台に戻った時には、オーケストラの皆様と存分に音楽をしたいと思います。楽しみにしておいてください。それまで、頑張りましょう。

 

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C)Shingo Azumaya

安藤赴美子(ソプラノ)

 数ヶ月前、ワーグナー作曲《ニーベルングの指環》最終章「神々の黄昏」演出稽古中にコロナウィルスが蔓延し始めていました。主催者のびわ湖ホールと関係者一同はこの大きなプロジェクトを前にし苦しみながらも6時間に及ぶ公演を決断し、無観客とYouTube配信で実現した記念すべき上演となりました。その後世界的に信じ難い状況で未だ不安の多い日々です。ほぼ全てが停止している現在、とにかく健康を維持したくさん力を蓄えその時を待ちたいです。この時代の変わり目に私たちが生存する理由、アーティストにどのような影響が起こり今後変化するのか想像ができませんが平和な世の中に向かう事を祈ります。