横須賀芸術劇場が能『隅田川』とブリテンのオペラ《カーリュー・リヴァー》を連続上演

横須賀芸術劇場は10月18日に、能の名作『隅田川』と20世紀イギリスの大作曲家ブリテンのオペラ《カーリュー・リヴァー》を続けて上演することを発表した。同作は、ブリテンが1956年に来日した折、『隅田川』を観てインスパイアされ誕生、その後の作曲活動の方向性を定めたとされるオペラ。

『隅田川』は、人買い商人に連れていかれた都の少年、梅若丸を、母親が狂乱しながら探し歩く、いわゆる “狂女物”。ブリテンはそれをキリスト教世界に翻案、中世イギリスに舞台を移し、教会で修道士たちが、子どもを失った女についての物語を演じる劇中劇にした。今回は「よこすか能」と「オペラ宅配便シリーズ」それぞれで、実績を重ねてきた観世喜正と彌勒忠史が演出。オペラハウス様式の大劇場のステージ上にしつらえた能舞台で、数百本のろうそくに照らし出された幻想的な能を観たあと、同じ舞台でオペラを観るという、多面的な文化体験になる。『隅田川』では観世喜正、観世和歌ら名能役者が出演。オペラもブリテンの第一人者の鈴木准をはじめ、与那城敬、坂下忠弘ら一線で活躍する男性歌手たちが揃う。鈴木優人の指揮とオルガン、そして上野星矢(フルート)らによる「カーリュー・リヴァー オーケストラ」の演奏と、充実の布陣で臨む。

横須賀芸術劇場
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