【CD】ヴィヴィアーニ:教会と室内のためのカプリッチョ・アルモニコ/朝吹園子

 「異国から来た彼が、どう活躍の幅を広げたのか。様々な個性と可能性を秘めた曲集には、その答えがある気がします」。スイス・バーゼルを拠点とするバロック・ヴァイオリン奏者の朝吹園子は、17世紀後半にインスブルックで活躍したイタリア人作曲家、G.B.ヴィヴィアーニによる「カプリッチョ・アルモニコ」を、こう位置づける。シンプルな楽譜へ生命を吹き込むのは、奏者自身の創意。虚空から降る音を受け取り、織り上げてゆく。共演の西山まりえ(チェンバロ/ハープ)と懸田貴嗣(チェロ)も、朝吹の思い入れに寄り添い、時に自パートを熱く拮抗させて、心に響く音の空間を形創る。
文:寺西 肇
(ぶらあぼ2020年3月号より)

【information】
CD『ヴィヴィアーニ:教会と室内のためのカプリッチョ・アルモニコ/朝吹園子』

ヴィヴィアーニ:「教会と室内のためのカプリッチョ・アルモニコ」より トッカータ第1番・第2番、シンフォニア・カンタービレ、ソナタ第1番・第2番、カプリッチョ第1番・第2番、シンフォニア第1番・第2番、アリア第1番〜第6番、バレット 他

朝吹園子(バロック・ヴァイオリン)
西山まりえ(チェンバロ/バロック・ハープ)
懸田貴嗣(バロック・チェロ)

OMF
KCD-2075 ¥2545+税