若手からベテランまで、作曲家たちの個性がシンクロする一夜
1931年生まれの松平頼暁から、81年生まれの坂田直樹まで、世代を超えて響きと色彩が飛翔し、交歓しあうコンサートである。若い世代では坂田の「胞子Ⅱ」の世界初演、そして今もっとも多忙な藤倉大(1977〜)の「三味線協奏曲」の室内楽版日本初演がひかえている。高い技術力をもつ作曲家たちだけに期待が高まる。
年長世代も負けてはいない。松平も新作を発表するというから驚きである。「アーティクル9」の世界初演では、創作界をリードしてきた重鎮の瑞々しい世界を垣間見ることができるだろう。48年生まれで日本を代表する作曲家の北爪道夫。名作「サイド・バイ・サイド」が中川統雄編曲版という新たな姿で披露されるのもおもしろい。海外作曲家として、63年生まれのメキシコの作曲家エベルト・バスケスの「インテレーニョ」の世界初演も行われる。アンサンブル・ノマドの腕利きのメンバーたちに加え、三味線の本條秀慈郎、ギターのパブロ・ガリバイ他が客演予定。
文:伊藤制子
(ぶらあぼ2020年2月号より)
2020.2/28(金)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール
問:キーノート0422-44-1165
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