ショパンの故郷、ポーランドの首都ワルシャワで5年に一度開催されているフリデリク・ショパン国際ピアノコンクール。同コンクールは世界中に数多く存在する国際ピアノコンクールのなかで、最高峰に位置づけられる。1927年に創設され、来年は第18回を迎えるが、10月9日にポーランド大使館でその概要が発表された。
スケジュールは、参加申し込みが2019年12月1日に締め切られ、2020年4月17日〜28日に予備予選が行われ、本大会は同年10月2日〜23日に予定されている。参加申し込みは1990年〜2004年に出生したピアニストならばだれでも出場可能。コンクール公式サイト上の参加申し込みフォームで申し込む。課題曲に関しては予備予選から本選まですべてショパンの作品が選ばれ、そのなかから選択する自由が与えられている。
審査員はドミトリー・アレクセーエフ、マルタ・アルゲリッチ、サ・チェン、カタジーナ・ポポーヴァ=ズィドロン、ダン・タイ・ソン、海老彰子、ネルソン・フレイレ、フィリップ・ジュジアーノ、ネルソン・ゲルナー、アダム・ハラシェヴィチ、クシシュトフ・ヤブウォンスキ、ケヴィン・ケナー、ヤーヌシュ・オレイニチャク、ピオトル・パレチニ、エヴァ・ポブウォツカ、ジョン・リンク、ヴォイチェフ・シュヴィタワ、ディーナ・ヨッフェの18人。同コンクールの歴代の優勝者・入賞者が多く選ばれている。
なお、これまでもコンクールの模様がリアルタイムで配信され、世界中の人々が演奏を楽しむことができたが、2020年からは新テクノロジーを導入し、YouTube上での全コンクール生中継をはじめ、スマホアプリ、史上初のVR(ヴァーチャル・リアリティ)および4K規格での生中継、さらにパブリックビューイングなどさまざまな計画が進められている。
コンクールの目的は新しい才能を見つけ、世に送り出すこと。ショパン国際ピアノコンクールも同様だが、すぐれたショパンの演奏をする人に独自の視点を置いていることが、このコンクールを特徴づけている。加えて新しいショパンの様式を踏まえた演奏をする人、自分なりのショパン観をもち、個性的なショパンを演奏することができる人など、多くの要素も審査の対象となる。
記者発表会では最後に1985年に第3位入賞を果たしたポーランドのクシシュトフ・ヤブウォンスキが「英雄ポロネーズ」「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」等を演奏し、ショパンへの情熱を示した。なお、鑑賞チケットはすでに完売しているそうだ。
取材・文:伊熊よし子
XVIII Chopin Competition
https://chopin2020.pl/