めぐろパーシモンホール フレッシュ名曲コンサート

若手の才能が煌めく2つの協奏曲と大編成の管弦楽を堪能


 期待の若手をソリストに迎える、めぐろパーシモンホールの「フレッシュ名曲コンサート」。11月の公演は、近年の日本音楽コンクール(以下「日本音コン」)を制したヴァイオリンとピアノの俊才が並び、ひときわ注目を集めている。

 ヴァイオリンは、2017年東京音楽コンクール、18年日本音コンと、国内最高峰の場で2年連続第1位を獲得した荒井里桜。演目はチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲で、荒井にとっては17年の優勝時にプロオーケストラと初共演した曲で、思い入れが深い。

 ピアノは、17年に高校2年生で日本音コンを制した吉見友貴。劇的な優勝を飾った本選のプロコフィエフはじめ、これまではロシアものの演奏機会が多かったが、今回はラヴェルの協奏曲を選択。自らを“ラヴェル弾き”と語るほど愛する作曲家であり、熱望叶っての演目となる。

 日本音コンの選考の模様や演奏者の素顔に迫るテレビ番組でも、17年はピアノ、18年はヴァイオリン部門がフィーチャーされていたため、吉見と荒井の活躍を記憶している方も多いだろう。今回は彼らの清新な名技、溌溂とした表現、そしてコンクールからの進化など、見どころの多いステージとなる。

 オーケストラは飯森範親指揮の東京交響楽団。充実の好演を連続している両者が、俊英たちのトップパフォーマンスを引き出してくれるはず。さらに、演奏会のメインとなるR.シュトラウス「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」では、壮麗なオーケストラサウンドも堪能させる。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2019年10月号より)

2019.11/9(土)15:00 めぐろパーシモンホール
問:めぐろパーシモンホールチケットセンター03-5701-2904
https://www.persimmon.or.jp/