びわ湖ホールは11月26日、自主事業ラインナップを発表した。当日は、新国立劇場総務部長・畑中裕良とびわ湖ホール館長・山中隆による両館の間の協定締結の調印式も行われた。この提携により、それぞれの劇場間でオペラやバレエの上演だけでなく人材の交流や育成にも協力関係を築き、連携を深めることになる。
このセレモニーの後、記者会見が行われた。登壇者はびわ湖ホール事業部長・馬淵英明、山中隆、びわ湖ホール芸術監督・沼尻竜典、そして畑中裕良の4名。
主要事業はワーグナー《神々の黄昏》(2020.3/7,3/8)、新国立劇場、東京文化会館との提携上演となる「オペラ夏の祭典2019-20 Japan↔Tokyo↔ World」《トゥーランドット》(19.7/27,7/28)、「近江の春 びわ湖クラシック音楽祭2019」の開催(4/27,4/28)など。
まず山中が「沼尻芸術監督5期目のスタート。《神々の黄昏》は“びわ湖リング”の締めくくり。そして『近江の春』も2年目で重要な年となる。2019年の8月から12月まで大・中ホールを改修するので、期間中にびわ湖ホール声楽アンサンブルの活動を県外の人に広く届けたい」と抱負を語った。
沼尻は新国との連携を「東京への一極集中になっている状況に疑問を感じていたので、新国のオペラがびわ湖でも観られるのは嬉しい」と高く評価。ラインナップに関して「《黄昏》は《リング》の中でもっとも長い作品だけに、練習も大変。全力を傾けたい。今後もワーグナーには取組みたい」と意気込む。「近江の春」について「今回のテーマはヴェルディのオペラのアリアからとった“神よ、平和を与えたまえ”。音楽は昔から神への祈りだったこともあり相応しいテーマだと思う。オープニングで中村恵理さんにこのアリアを歌ってもらう。砂川涼子さんによるモノ・オペラ《人間の声》や大植英次さん指揮大阪フィルの『幻想交響曲』、屋外での演奏を予定している“かがり火コンサート”でのモーツァルトのレクイエムも聴きもの」と述べ、「全体的にびわ湖ホールならではのスパイスの効いた内容になっていると思う」と語った。