【会見レポート】名門マリインスキー・バレエの日本公演が本日開幕!

歴史と伝統を誇るロシアの名門マリインスキー・バレエが、11月28日より東京と兵庫で3年ぶりの来日公演を行う。開幕を翌日に控えた11月27日、ユーリー・ファテーエフ舞踊監督と、出演ダンサーの7名(ヴィクトリア・テリョーシキナ、エカテリーナ・コンダウーロワ、アリーナ・ソーモワ、ウラジーミル・シクリャローフ、キミン・キム、レナータ・シャキロワ、永久メイ)が登壇し、公演にかける想いを語った。
(2018.11/27 東京文化会館 Photo:J.Otsuka/Tokyo MDE)

左より:ユーリー・ファテーエフ舞踊監督、レナータ・シャキロワ、アリーナ・ソーモワ、キミン・キム、ヴィクトリア・テリョーシキナ、永久メイ

2018年は日本・ロシア両国での文化交流事業「日本におけるロシア年」「ロシアにおける日本年」の日露交流年として位置づけており、日本におけるロシア年の最後をマリインスキー・バレエで華やかに彩る。今回の来日公演では、日本で22年ぶりの上演となる『ドン・キホーテ』、マリウス・プティパ生誕200年の記念年に贈る『白鳥の湖』、そして、古典から現代作品までバレエ団総出演のガラ公演『マリインスキーのすべて』、3演目を上演する。

ユーリー・ファテーエフ舞踊監督は、今回の日本公演について次のように語った。
「マリインスキー・バレエが日本を訪れて50年以上が経ちました。バレエ芸術は私たちの絆を強めており、日本の方々のバレエへの愛情は私たちの支えになっています。
毎回ツアーで日本に来る度に、何か新しいもの、演目やスターをお披露目してきました。昨今マリインスキーでは若い振付家を養成する活動を行っています。若い振付家たちがマリインスキーのダンサーの素晴らしい素材を使って、偉大なマリインスキーの舞台で上演するまでに持って行く、そのチャンスを与えることも劇場にとってプラスの要素に働いていると思います。それは劇場が生き生きとしている理由の一つでもあります。ガラ公演『マリインスキーのすべて』ではその成果をご披露します。
今回の日本公演は3年振りに新しい発見をしていただけるのではないかと、熱いツアーになることを非常に期待しています」

ユーリー・ファテーエフ舞踊監督

リハーサルの合間をぬって会見に出席したウラジーミル・シクリャローフは、『ドン・キホーテ』バジル(12/1)、『白鳥の湖』ジークフリート王子(12/6、12/9)で出演する。
「思い入れの強い東京文化会館の舞台に戻ってこられて嬉しいです。前回の来日公演では(怪我のため)『ロミオとジュリエット』の舞台に立つことができませんでしたが、今回予定されている演目全ての踊りを全うしたいです。私たちが持っている力のかぎりを出して、素晴らしい想い出を作っていただきたいと思っています」

ウラジーミル・シクリャローフ

ヴィクトリア・テリョーシキナは『ドン・キホーテ』(11/28)、『白鳥の湖』(12/6、12/9)に主演する。
「前回の来日以後、日本に来ることを恋しく思っていました。古典バレエを踊ることは難しいですが、マリインスキー・バレエのスタイルをもった古典作品を踊ることを誇りに思っています。今回『ドン・キホーテ』とガラ公演の『パキータ』3幕グラン・パはマリウス・プティパの生誕200年の記念年としてお目にかけます。日本の皆さんはフェッテが大好きなようなですが、今回上演する演目はフェッテ満載です!いろんな形のフェッテがでてきますので、楽しみにしていてください」

ヴィクトリア・テリョーシキナ

キミン・キムは『ドン・キホーテ』バジル(11/28)、『白鳥の湖』ジークフリート王子(12/8 12時公演)で出演する。
「5月にウィーン国立バレエ団の『海賊』を踊った際に、日本にまた来たいと強く感じました。私がマリインスキー・バレエのダンサーとして初めて母国・韓国で踊る際に、とてもナーバスになった思い出があります。今回、ガラ公演で『海賊』パ・ド・ドゥを一緒に踊る永久メイさんをサポートしたいと思います」

キミン・キム

9年ぶりの来日となるアリーナ・ソーモワは『白鳥の湖』オデット/オディール(11/30)とガラ公演に出演。
「今回日本で踊ることは、皆さんにとって貴重なステージになると思います。というのも、この9年間で子供を2人産み、家族にはロシアでしか踊らない、国外にはでないと言っていました。海外ツアーにはほとんど出ていないのですが、私にとって日本は特別な国なのです。日本の皆さんにマリインスキー・バレエ、ロシア文化の素晴らしさをお伝えできればと思います」

アリーナ・ソーモワ

エカテリーナ・コンダウーロは『白鳥の湖』(12/7)で主演する。
「ダンサーたちが日本に楽しみに来るということは、舞台も特別なものとなります。今回の演目は観ればみるほど、面白いものになります。バレエはソリストだけでなく、コール・ド・バレエも大きな意味を持ち、同じ歴史、スクールを基盤としています。『白鳥』では首、肩、足、手の動きが一つとなって動いていることがお分かりになると思います。
ガラ公演『マリインスキーのすべて』は様々な世代、趣味を持った皆さんを満足させることができる公演だと思います。古典ものから現代作品まで披露し、今と昔のマリインスキーの全てをお伝えできる特別な演目です。私にとっては、日本プレミエとなる若い振付家、イリヤ・ジヴォイの作品『フラッシュ・バック』よりパ・ド・ドゥを踊ります。皆さんの期待を裏切りませんので、ぜひ観にいらしてください」

エカテリーナ・コンダウーロ

レナータ・シャキロワは『ドン・キホーテ』キトリ(11/29,12/5)を踊る。
「マリインスキー・バレエとしての来日は初めてとなります。前回の来日はワガノワ・アカデミーのツアーで、10年以上前のことです。その時が初めての海外ツアーで、それ以後私にとって日本で踊るということはとても意義のあることだと思っています。いまドキドキとわくわくでいっぱいです」

レナータ・シャキロワ

現在、マリインスキー・バレエでは3名の日本人女性ダンサーが活躍している。石井久美子に続く正団員として、今シーズンよりセカンド・ソリストとして入団した永久メイは、2015年にアメリカでのサマースクールに参加し、ファテーエフ舞踊監督に見いだされた新星。今回の日本公演が団員として初の凱旋公演となり、『ドン・キホーテ』ではキューピッド役(11/28,12/1)、『白鳥の湖』では王子の友人役(11/30,12/7,12/8 18時公演)などで出演する。
「現在2年目で、ロシアンバレエのスタイルを勉強している最中です。最初はマリインスキーの完璧な世界に入ることに不安もありましたが、上半身の使い方の素晴らしさ、全てが揃っていて、ダンサー一人ひとりが輝いてみえる魅力的なバレエ団で、その一員として日本に来られて嬉しく、また、いますごく緊張しています。
今回は『ドン・キホーテ』のキューピッド役、『白鳥の湖』の王子の友人役を踊り、ガラ公演では、私にとって挑戦となる『海賊』のパ・ド・ドゥ、そして『パキータ』バリエーションに出演します。全てキャラクターが違い、踊れることが楽しみです」

永久メイ

会見では、マリインスキー・バレエの全公演を対象に25歳以下の若い聴衆を対象にした「U25チケット」を販売することが発表された。若い方々に素晴らしい芸術を観るチャンスを持ってほしいと初の試みで、公演の30分前より残席があった場合に5000円で販売する。

【公演情報】
マリインスキー・バレエ
『ドン・キホーテ』

2018.11/28(水)18:30 東京文化会館
出演:ヴィクトリア・テリョーシキナ/キミン・キム
2018.11/29(木)14:00 東京文化会館
出演:レナータ・シャキロワ/ティムール・アスケロフ
2018.12/1(土)16:00 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
出演:ナデージダ・バトーエワ/ウラジーミル・シクリャローフ
2018.12/5(水)18:30 東京文化会館
出演:フィリップ・スチョーピン/レナータ・シャキロワ

『マリインスキーのすべて』
2018.12/2(日)18:00、12/3(月)18:30 東京文化会館

『白鳥の湖』
2018.11/30(金)18:30 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
出演:アリーナ・ソーモワ/ザンダー・パリッシュ
2018.12/6(木)18:30 東京文化会館
出演:ヴィクトリア・テリョーシキナ/ウラジーミル・シクリャローフ
2018.12/7(金)18:30 東京文化会館
出演:エカテリーナ・コンダウーロワ/ティムール・アスケロフ
2018.12/8(土)12:00 東京文化会館
出演:ナデージダ・バトーエワ/キミン・キム
2018.12/8(土)18:00 東京文化会館
出演:エカテリーナ・オスモールキナ/ザンダー・パリッシュ
2018.12/9(日)14:00 東京文化会館
出演:ヴィクトリア・テリョーシキナ/ウラジーミル・シクリャローフ

問:ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040 (東京公演)
キョードーインフォメーション 0570-200-888(兵庫公演)
※その他配役の詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。


マリインスキー・バレエ日本公演サイト
http://www.japanarts.co.jp/mariinsky2018/