ムジカ・レアーレ(室内楽アンサンブル)

コンセルトヘボウ管のエッセンスが凝縮されたサウンド

 世界最高峰の演奏で触れる、“真の音楽”の愉悦―。「ムジカ・レアーレ」は、オランダの名門、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のメンバーで構成されるアンサンブル。2日にわたる東京公演では、誰もが知る傑作から知られざる佳品まで、三〜五重奏の多彩な編成による様々な時代の作品を紹介し、室内楽の醍醐味を伝えてくれる。
 130年の歴史を誇る名門楽団から、取り上げる作品に応じ、メンバーを選抜して組織される「ムジカ・レアーレ」。そのサウンドは、まさにコンセルトヘボウ管のエッセンスと言えよう。今回は、首席オーボエ奏者のイヴァン・ポディオモフら木管楽器から3人、第1ソロ・ヴィオラ奏者の波木井賢(はきい・けん)ら弦楽器から5人、計8人の名手が参加する。
 来日公演には、2つの異なるプログラムを用意。第1日では、モーツァルト「オーボエ四重奏曲」とブラームス「クラリネット五重奏曲」という2つの名曲に、ドイツ人ながらオランダで活躍したユリウス・レントゲンの「弦楽三重奏曲第14番」や、チェコ出身のエルヴィン・シュルホフの木管楽器のための「ディヴェルティメント」と20世紀の作品を挟み込む。
 一方、第2日は、ベートーヴェン「弦楽三重奏曲 ハ短調」とメンデルスゾーン「弦楽五重奏曲 イ長調」に、ブリテンの初期の傑作「幻想四重奏曲」やイベール「木管三重奏のための5つの小品」、プーランク「クラリネットとバスーンのためのソナタ」を組み合わせて。いずれのプログラムも、まさに時空を超えた「古今の室内楽の傑作選」。初心者からマニアまで、楽しめるはずだ。
文:寺西 肇
(ぶらあぼ2018年10月号より)

第1日 2018.11/20(火)19:00
第2日 2018.11/21(水)14:00
浜離宮朝日ホール
問:朝日ホール・チケットセンター03-3267-9990 
http://www.asahi-hall.jp/hamarikyu/