東京オペラシティ B→C 黒田鈴尊(尺八)

伝統音楽と“ダンス・ミュージック”が出会ったら?

C)Ayane Shindo
 東京オペラシティで20年以上続く名物企画『B→C』。10月に出演する黒田は、早稲田大学在学中に武満徹の「ノヴェンバー・ステップス」を聴いて尺八の魅力に開眼。人間国宝の二代目青木鈴慕(現・青木鈴翁)らに師事し、東京藝大で研鑽を積んだ。世界の第一線で活躍する細川俊夫や藤倉大といった作曲家から認められ、先ごろ開かれた「2018国際尺八コンクール in ロンドン」でも優勝。今や日本国内のみならず、国際的に活躍する尺八奏者なのだ。
 今回の選曲テーマは“ダンス・ミュージック”。尺八の古典本曲やバッハの無伴奏チェロ組曲第1番に始まり、黒田が委嘱した世界初演作品3曲まで全て、脳内でダンサーが踊る姿が想像できるような音楽を志向しているというから興味深い。邦楽というと静的なイメージが強いかもしれないが、大袈裟でなく「宇宙規模のスケール」を感じさせてくれる黒田の演奏には誰もが衝撃を受けるはず。伝統を受け継ぎながら、革命を起こさんとする黒田の音楽を体験してほしい。共演は岡村慎太郎(三絃)と中島裕康(箏)。
文:小室敬幸
(ぶらあぼ2018年10月号より)

2018.10/16(火)19:00
東京オペラシティ リサイタルホール
問:東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999 
http://www.operacity.jp/