第22回 京都の秋 音楽祭 光と色彩の作曲家 クロード・ドビュッシー

音と言葉でドビュッシーの芸術に多角的に迫る


 古都・京都はフランス文化と関連の深い土地でもある。京都・パリ友情盟約締結60周年・日仏友好160周年にあたる2018年、没後100年を迎えたドビュッシーを3回シリーズで楽しむスペシャル企画が京都コンサートホールで開催される。斬新な響きや繊細なリズム感をもつ彼の音楽は、光と影の移ろいを思わせる絵画性を備えており、当時の文化的背景とも深いつながりをもつ。
 シリーズは「初級編」「中級編」「総括編」の3回で、ドビュッシーの多彩な世界をすぐれた演奏で楽しめる心憎い工夫がなされている。
 「初級編」は「ドビュッシーの“ド”から“シ”まで」をテーマに、初期から晩年までのオール・ドビュッシー・ピアノ・プログラム。中川俊郎と小坂圭太がソロ、2台ピアノ、そして連弾作品を披露する。ナビゲーターは岡田暁生(京都大学人文科学研究所教授)。
 「中級編」は室内楽コンサートで、テーマは「ベル・エポック〜サロン文化とドビュッシー〜」。サロンを彩ったフォーレ、サン=サーンス、ラヴェルらの名作も併せて聴くことができ、出演はソプラノのサロメ・アレール、ピアノの永野英樹ほか、国内外で活躍する奏者が揃うから楽しみだ。ナビゲーターは椎名亮輔(同志社女子大学学芸学部音楽学科教授)。
 「総括編」は「ドビュッシーが見た風景」と題し、世界的ピアニストのパスカル・ロジェを迎えたリサイタルだ。名曲中の名曲である前奏曲集第1集、第2集をじっくり堪能する。各回にはそれぞれのテーマにふさわしい論客による解説、プレトークもあり、ドビュッシーの世界をさらに深く知ることができるだろう。
文:伊藤制子
(ぶらあぼ2018年10月号より)

第1回 ドビュッシーの“ド”から“シ”まで (初級編) 2018.10/13(土)
第2回 ベル・エポック〜サロン文化とドビュッシー〜 (中級編) 2018.11/10(土)
第3回 ドビュッシーが見た風景 (総括編) 11/23(金・祝)
京都コンサートホール アンサンブルホールムラタ 各回14:00
問:京都コンサートホール075-711-3231 
http://www.kyotoconcerthall.org/debussy2018/