白井 圭(ヴァイオリン)& 辻本 玲(チェロ)インタビュー

スーパープレイヤーたちが集う唯一無二のフェスティバルへ、ようこそ!

 今年も「セイジ・オザワ 松本フェスティバル(OMF)」が8月18日から9月7日まで、長野県松本市で開催される。オーケストラやオペラ、そして室内楽など、OMFならではの豪華アーティストによる趣向を凝らしたプログラムが連日繰り広げられる。
 音楽祭に先立ち、銀座NAGANOで開催された「セイジ・オザワ 松本フェスティバル サロン・コンサート&トーク Ⅱ」に出演し、コダーイ「ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲」などを披露したヴァイオリンの白井圭とチェロの辻本玲に話をきいた。
 2人は、小澤征爾スイス国際アカデミーのメンバーとともに出演する「ふれあいコンサートⅠ〜ロバート・マン メモリアルコンサート〜」(8/19)、ドビュッシーやレスピーギの室内楽をとりあげる「ふれあいコンサートⅢ」(9/1)、そして秋山和慶指揮サイトウ・キネン・オーケストラによる「オーケストラ コンサート Bプログラム」(8/31)の3公演に出演する。
 ともに東京藝術大学で学んだ白井と辻本は、本来同じ学年だが、辻本が小学生時代をアメリカで過ごした関係で、白井が学年はひとつ上だったという。学生時代はまったく付き合いがなかったそうだ。

辻本 玲(左)、白井 圭(右)
C)大窪道治

ーーまずお二人の出会いは?

辻本「話すようになったのは、松本(当時はサイトウ・キネン・フェスティバル)に来てからですね」

白井「2011年に行われたサイトウ・キネン・フェスティバルの《青ひげ公の城》中国公演で毎日一緒にご飯を食べに行って、仲良くなりました(笑)。最近は室内楽で共演しています。京都のカフェ・モンタージュでは、モーツァルトのディヴェルティメントK.563(2015年)やバッハの『ゴルトベルク変奏曲』(シトコヴェツキー編)(2017年)を演奏しました」


ーーOMF(旧サイトウ・キネン・フェスティバル松本)にはいつから参加されていますか?

白井「僕は奥志賀の室内楽勉強会に高校3年生のときから4回参加し、ロバート・マンさんにレッスンを受けました。サイトウ・キネン・オーケストラに初めて参加したのは2001年の《イェヌーファ》のバンダでした」

辻本「OMFのチェロ・セクションは、木越洋先生や原田禎夫先生ら、大ベテランの先生方とご一緒できるのが、すごく勉強になりますし、楽しいです。初めてのサイトウ・キネン・オーケストラへの参加は《青ひげ公の城》でした」


ーー今回は、「ふれあいコンサートⅢ」で、ドビュッシーのハープ独奏と弦楽合奏のための「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」やレスピーギの「ドリア旋法による弦楽四重奏曲」を共演されますね。

白井「ドビュッシーの曲は弦楽合奏のメンバーとして弾いたことがありますが、レスピーギの『ドリア旋法による弦楽四重奏曲』は、まだ演奏したことがないので楽しみです」

辻本「僕は両曲とも初めてです。サイトウ・キネン・オーケストラのメンバーが聴きに来ると思いますので、緊張しますね(笑)」

白井 圭(左)、辻本 玲(右)
C)大窪道治


ーー日本でも若い音楽家の教育に情熱を注いだ故マン氏を偲んで開催される「ふれあいコンサートⅠ」では、小澤征爾スイス国際アカデミーの参加者たちとベートーヴェンの弦楽四重奏曲第16番第3楽章の合奏に参加されますね。

白井「マン先生は、いつも笑っていて、エネルギーに溢れている方でした。奥様のルーシーさんと仲良くて、歴史に相当詳しかったことを憶えています」

辻本「僕が奥志賀の勉強会に参加した2003年には、マン先生が指揮されていて、今回と同じく、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第16番を演奏しました。スイスのアカデミーのみなさんや奥志賀でマン先生に習った人たちとは、小澤さんのバースデー・コンサートで合同演奏をしたことがあります」

白井「彼らスイスのアカデミーのみなさんとの再会も楽しみなんです」


ーーサイトウ・キネン・オーケストラでは、秋山和慶さんが指揮する「オーケストラコンサートB」に出演されますね。こちらはイーベル、ドビュッシー、ラヴェル、サン=サーンスとオール・フランス音楽プログラムです。

白井「『ボレロ』は、管楽器の“スーパー・プレイヤー”たちが信じられない演奏をすると思うので、一ファン目線で楽しみです。『牧神の午後への前奏曲』では、フルートのジャック・ズーンさんが素晴らしいソロを聴かせてくれるでしょう」

辻本「秋山先生とは、チャイコフスキーの『ロココの主題による変奏曲』を共演したことがあります。すごく優しい方ですね。素晴らしい先輩たちと一緒に弾けるのが楽しみです」


ーー今日のサロン・コンサートには小澤総監督もいらっしゃいましたね。

白井「小澤先生が楽譜を見ながら聴く方だとは知っていましたが、今日は、コダーイの二重奏曲なので、まさかそれはないだろうと思っていたら、終わってから『楽譜を見ながら聴けたから、勉強になったよ!』と言われました(笑)」

取材・文:山田治生

銀座NAGANOでのサロンコンサートの様子
C)大窪道治

【information】

◎ふれあいコンサートⅠ
〜ロバート・マン メモリアルコンサート〜
2018年8月19日(日) 17:00
ザ・ハーモニーホール(松本市音楽文化ホール)

http://www.ozawa-festival.com/programs/chamber-01.html

◎ふれあいコンサート III
2018年9月1日(土) 17:00
ザ・ハーモニーホール(松本市音楽文化ホール)

http://www.ozawa-festival.com/programs/chamber-03.html

◎オーケストラ コンサート Bプログラム
2018年8月31日(金) 19:00 
キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)

http://www.ozawa-festival.com/programs/orchestra-b.html


セイジ・オザワ 松本フェスティバル
http://www.ozawa-festival.com/

  • La Valseの最新記事もチェック

    • アンナ・ネトレプコ(ソプラノ)| いま聴いておきたい歌手たち 第6回
      on 2019/08/15 at 22:30

      text:香原斗志(オペラ評論家) 実は、あまり好きではなかった 舞台にいるだけで強烈に発せられるオーラにおいて、いまアンナ・ネトレプコ以上の歌手はいない。実演は当然だが、ライブビューイングであっても、彼女が現れた瞬間に空気が変わるのが感じられるから不思議である。役に深く没入している証しでもあるし、彼女が発する声のすみずみまで、役が乗り移っているように感じられる。そうしたあれこれの相乗効果が、オー [&#8230 […]