高関 健(指揮) 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

バーンスタインを“ベスト”な選曲で!

 生誕100年を迎えたレナード・バーンスタインの作品は、すでにあちらこちらのオーケストラ等で演奏予定だが、東京シティ・フィルも2017年度シーズン・ラストを飾る定期演奏会において、オール・バーンスタイン・プログラムを演奏。指揮は21年3月まで、同オケの常任指揮者を務めることが発表された高関健。ゲスト・ソリストに深みのある音楽を奏でるヴァイオリニストの渡辺玲子を迎え、洗練された“摩天楼ニューヨークのサウンド”とでもいうべき名作たちを聴かせる。
 曲は『キャンディード』序曲に始まり、ヴァイオリン協奏曲風のスタイルによる全5楽章の「セレナーデ(プラトンの饗宴による)」、ワルツやサンバからブルースやマーチまで多種多様な音楽を料理した「ディヴェルティメント」、そしてジャズやラテン音楽のエッセンスを散りばめた名作である『ウェスト・サイド物語』のシンフォニック・ダンス。はじめてのバーンスタイン! という方でも、いきなりベストを体験できる選曲なのだ。
 大編成で、多彩な打楽器なども加わるオーケストレーションが特徴のバーンスタイン作品だが、交響的バランスを考慮しながら音楽を作り上げていくことで、独特の響きが浮かび上がってくる。早くも3シーズン目を終えようとしている高関&東京シティ・フィルのコンビだが、多くのコンサートで作り上げてきた安定感のある音により、輝かしいマイルストーンを築き上げるコンサートになるだろう。
文:オヤマダアツシ
(ぶらあぼ2018年3月号より)

第314回 定期演奏会
2018.3/17(土)14:00 東京オペラシティ コンサートホール
問:東京シティ・フィル チケットサービス03-5624-4002 
http://www.cityphil.jp/