川崎市北部を中心に開催される総合芸術祭「アルテリッカしんゆり」は、2009年の創設以来、当地域の文化的な春の風物詩となっている。9回目を迎える今年は新百合ヶ丘駅周辺の6施設をはじめ、計8施設で、オペラ、コンサートから、バレエ、演劇、能・狂言、落語まで、ジャンルを超えた30演目37公演が開催される。
そして、本芸術祭の「フィナーレ公演」が、昭和音楽大学テアトロ・ジーリオ・ショウワで行われる東京交響楽団演奏会だ。指揮は同楽団名誉客演指揮者の大友直人。気心知れたコンビで手堅さと余裕が両立する好演が期待できる。川崎市にゆかりの深い名ピアニスト小川典子も共演し、その名技で華やかさを増してくれる。「ロシア音楽への旅」と題されたプログラムは、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番、ムソルグスキー(ラヴェル編)「展覧会の絵」など、だれもが楽しめる名曲ぞろい。ゴールデンウィークの最後、新百合ヶ丘でロシアの風を感じてはいかが。
文:林 昌英
(ぶらあぼ 2017年4月号から)
5/7(日)15:00 昭和音楽大学テアトロ・ジーリオ・ショウワ
問:アルテリッカしんゆりチケットセンター044-955-3100
http://www.artericca-shinyuri.com/