トッパンホール アンサンブル VOL.10

天才たちの名品を鮮やかに対比


 トッパンホール アンサンブルは、トッパンホールが主体となってプログラムを組み立て、それに合わせてメンバーを選び、演奏会を開催する企画である。その第10回目は、管楽器の名手たちと、ウィーンの音楽に精通するヴァイオリニストの久保田巧、気鋭のチェリスト上野通明、そして仙台国際音楽コンクールの優勝者であり、トッパンホールで行われた<室内楽マイスターへの道>でも素晴らしい演奏を聴かせたピアノの津田裕也が加わり、モーツァルトとベートーヴェンの傑作を演奏する。
 1784年、ウィーンに定住したモーツァルトが書いた「ピアノと木管のための五重奏曲」は、作曲者自身が「これまでに書いた最高の作品」と考えていた傑作。オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットとピアノという楽器編成だが、それを古部賢一、四戸世紀、日橋辰朗、吉田将、津田裕也が演奏する。管楽器奏者の面々は説明するまでもなく日本を代表する奏者ばかり。そして、1796年ウィーンにやって来たばかりの若きベートーヴェンの意欲が満ちた「ピアノと木管のための五重奏曲」も同じメンバーで演奏する。モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ変ロ長調 K.454(1784年)は久保田が、ベートーヴェンのチェロ・ソナタ第2番(1796年)は上野がそれぞれ演奏し、津田が共演する。
 非常にシンメトリーに、しかし慎重に考えられたプログラムで、18世紀末のウィーンの音楽的充実ぶりが理解できるだろう。
文:片桐卓也
(ぶらあぼ 2017年3月号から)

3/16(木)19:00 トッパンホール
問:トッパンホールチケットセンター03-5840-2222
http://www.toppanhall.com/