マリインスキー・オペラ日本公演レポートvol.8〜記者会見

 10月8日のロームシアター京都を皮切りに5年ぶりの日本公演を行っているマリインスキー・オペラが11日、都内で来日記者会見を行った。
(2016.10.12 Photo:M.Terashi/TokyoMDE)

 登壇者は、尾崎哲(野村ホールディングス代表執行役グループCOO)、 大内栄和(ジャパン・アーツ株式会社 代表取締役社長)、ワレリー・ゲルギエフ(マリインスキー劇場芸術総監督・指揮)、アレクセイ・ステパニュク(演出)、マリア・バヤンキナ、ユリア・マトーチュキナ、フェルッチョ・フルラネット、ヨンフン・リー、ディミトリー・コルチャック、アレクセイ・マルコフ。

◆ワレリー・ゲルギエフ
「ロシアと日本は隣国同士です。友好関係においても、日本に来ることは、とても喜ばしく大切なことだと思っています。今回は、ロシアの伝統的なオペラのほか、ヴェルディやベルリオーズなどを披露できることを、私自身もとてもワクワクして楽しみにしています。特に、フルラネットさん、リーさんと今回のツアーでご一緒にできたことを大変嬉しく思っています。今後も何かで一緒にできればと思っています。このように様々な国のアーティストたちと共演し公演をすることで伝統芸術をもっと豊かなものにしたいと思っています。

 マリインスキー劇場の次のシーズンでは1,500回もの公演を行い、19の新演出を予定しています。この数はとても大きい物と思っています。われわれは、4つの舞台を持っており、そのうち3つがサンクトペテルブルクに、残りの1つはウラジオストクにあります。今年は、そのウラジオストクで『第1回マリインスキー国際極東音楽祭』を行いました。この音楽祭はアジア地域とを結ぶ非常に重要なものだと考えています。

 劇場はすべての世代を豊かにできるものです。日本はもちろん、素晴らしい劇場がある国ではそれが顕著です。しかし、世界の多くの国々では、子どもから老人まですべての人が満足できるような作品を上演するステージが足りない。
 そしてまた、劇場は教育プログラムなしには存在できないのです。しかしながら、利益のみを追いつづける時代がまだ続いている。欧州でも同様で、イタリアのような文化大国においても同じ現象が起こっているのです。それはそれらの国々が培って来た歴史や伝統を壊してしまうことになりかねません。国がいかに劇場をサポートしていくかが大きな問題なのです。
 また、若いアーティストをどうやってサポートしていくか、将来にわたって大切だと考えます。いまわれわれが力を入れているのが、こどもたちへのプログラム。そしてサポートしてくださっている企業のみなさまの存在も素晴らしい、日本の美学だとも思っています」

◆フェルッチョ・フルラネット
「日本デビュー35年になります。初来日は、ミラノ・スカラ座との《セビリアの理髪師》。日本については、日本の聴衆は、芸術に対して深い愛情を持っていると、毎回来日する度にいつもそう感じています。ゲルギエフとは友人でありたびたび共演していますが、今回のようにマリインスキー劇場と日本でツアーをできたことを大変幸せだと思っています。
 私は幸いなことに、長いキャリアにわたって良い導きを得ました。これからの若い歌手たちには、自分の声を若いうちから判断をし、正しいレパートリーを選ぶことが大切だと伝えたいですね。そして、そのレパートリーを丁寧にこなしてほしいと思っています。私は25年間モーツァルトを歌ったことが、その後の良い薬になったと思っています。アリアとレチタティーヴォを交互に歌うことで、声に無理がかからず、演技力歌唱力を磨くことができたのですから」

◆ヨンフン・リー
「初来日は、2011年のメトロポリタン・オペラ(MET)に急遽出演した時でした。その時、日本のみなさまがとても暖かく歓迎してくださって、嬉しかったことを覚えています。《ドン・カルロ》は今回のメンバーとバーデン=バーデンで歌っていますが、今回、マリインスキー劇場と共に2度目の来日を果たせたことを本当に幸せに感じています」

◆マリア・バヤンキナ
「日本ツアーへは初参加です。今回のツアーに参加できたことを幸せに思っています。すでに京都で《エフゲニー・オネーギン》のタチヤーナを演じましたが、日本のみなさんの熱い想いを感じました」

◆ユリア・マトーチュキナ
「今回2度目の来日となります。前回は、R.シュトラウスの《影のない女》で(小さな役でしたけれども)出演しました。。今回、日本に帰ってくることができて本当に幸せを感じています。昨夜、エボリ公女を歌いましたが、私にとっては比較的新しい役でした。この役を聴衆の皆さんに披露できて大変嬉しいです。フルラネットさんとは《ドン・キショット》でも共演しています。今回は《エフゲニー・オネーギン》のオリガ役も歌います」

◆アレクセイ・ステパニュク
「2、30年前まではマリインスキーと言えばバレエが有名でした。それが、ゲルギエフの力でマリインスキー劇場のオペラの評判が高まった。私自身は、子どもの頃、映画監督にもなりたかったが、その時好きだったのが、ヴィスコンティと黒澤。日本人とロシアの人々は、日頃から共通するところがあるな、と感じています」

◆アレクセイ・マルコフ
「日本に来られたことを嬉しく思っております。初来日は前回公演の《トロイアの人々》でした。その時は短期間の滞在でしたので今回はたくさんの日本の文化に触れたいと思います」

◆ディミトリー・コルチャック
「今回は、7回目の来日となります。このツアーに参加できて嬉しく思ってます。今までたくさんの劇場で歌ってきましたが、マリインスキー劇場との共演は昔からの夢でした。今回の演目に関して、日本の皆さんは本当に幸せだと思います。ロシアの真髄とも言えるオペラ《エフゲニー・オネーギン》をロシアの劇場が上演するのですから」

マリインスキー・オペラ
ワレリー・ゲルギエフ(指揮) マリインスキー歌劇場管弦楽団&合唱団
《ドン・カルロ》
10/10(月・祝)14:00、10/12(水)18:00 東京文化会館

《エフゲニー・オネーギン》
10月8日(土)14:00 ロームシアター京都
10月15日(土)12:00、10月16日(日)14:00 東京文化会館

問:ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040
公演の詳細は下記、マリインスキー・オペラ 来日公演2016公式HPでご確認ください。
http://www.japanarts.co.jp/m_opera2016

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