“第4番”に込められたベートーヴェンのメッセージとは?
杉並公会堂開館10周年記念として開催される小林研一郎と日本フィルの「ベートーヴェン交響曲ツィクルス」が、第5回を迎える。
今回演奏されるのは、ドイツの重鎮ゲルハルト・オピッツの独奏によるピアノ協奏曲第4番と、交響曲第4番。協奏曲と交響曲、どちらも「第4番」が演奏されるわけだが、こうして並べてみると、ここまでのベートーヴェンの創作史は交響曲と協奏曲で似たところがあるなと気づかされる。ともに第1番と第2番では先人ハイドンやモーツァルトの影響が色濃いが、第3番で飛躍的にドラマティックな作品を書いて新たなステージへと向かった。そして第4番でベートーヴェンが描こうとしたのは…といったストーリー性が透けて見えてくる。
桂冠名誉指揮者を務め、日本フィルとは長年にわたる強い結びつきを持つ「炎のコバケン」が、満を持して向き合うベートーヴェン・ツィクルス。杉並公会堂の客席に熱風が吹く。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ 2016年11月号から)
11/12(土)15:00 杉並公会堂
問:杉並公会堂03-5347-4450
http://www.suginamikoukaidou.com