東京芸術劇場がジャズ・クラブに変身!?
クラシック音楽とジャズが融合して生まれたのは、シンフォニック・ジャズと称される新しいエンタテインメント。しかし演奏がハイセンス&ハイクオリティでなければ、単なる“ジャズの真似”に終わってしまうのも事実だ。であるなら、多彩なジャンルの音楽を演奏するNHK交響楽団がチャレンジすれば、都会的でゴージャスなサウンドを浴びることができそうである。
東京芸術劇場とN響がタッグを組んだコンサートは、「BEBOP BERNSTEIN」というサブタイトルが示すように、その道の開拓者であるレナード・バーンスタインにオマージュを捧げたプログラムだ。クラリネットとジャズ・オーケストラ(ビッグバンド)のために書かれた「プレリュード、フーガとリフ」やジャズ風のバレエ音楽「ファンシー・フリー」、そしてサーカスの音楽を思わせる部分が印象的な「ディヴェルティメント」という3つのバーンスタイン作品は、吹奏楽ファンにもおすすめ。それに加え、先達であるガーシュウィンの「パリのアメリカ人」と、デューク・エリントン楽団がジャズの領域からシンフォニック・ジャズに挑んだ「ハーレム組曲」(多彩な音を出すトランペットが大活躍)もホールに鳴り響く。
指揮はバーンスタイン門下のジョン・アクセルロッド、ソリストのゲストはニューヨークを拠点に活動しているクラリネット奏者の大島文子。この日ばかりは東京芸術劇場がハイソなジャズ・クラブに変身だ。
文:オヤマダアツシ
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年6月号から)
7/10(金)18:30 東京芸術劇場コンサートホール
問:東京芸術劇場ボックスオフィス0570-010-296
http://www.geigeki.jp