勅使川原三郎連続公演『青い目の男』『ハリー』

 ダンス界を長年リードしてきた勅使川原三郎率いるKARAS。近年、その益々の充実ぶりには、目を見張るものがある。新しい表現を生み出す場所として2013年に設立したスペース「カラス・アパラタス」での精力的な作品発表、パリ・オペラ座バレエ団に委嘱された新作『闇は黒い馬を隠す』の振付、パリ・オペラ座エトワールのオーレリ・デュポンを迎えてのKARAS作品『睡眠-Sleep-』…。今年3月には、パリ・シャンゼリゼ劇場から委託を受け、ポーランドの作家スタニスワフ・レムの同名小説を原作にした藤倉大作曲の新作オペラ《ソラリス》で、勅使川原が台本・舞台美術・照明・衣装・振付・演出を手がけて話題を呼んだ。こうした活動の中、一貫性・連続性あるプログラムで光彩を放っているのがシアターXでの連続公演だ。13年以来、現在までに、ポーランドの作家ブルーノ・シュルツのテクストに想を得た『春、一夜にして』『ドドと気違いたち』『空時計サナトリウム』『7月の夜』『天才的な時代』の5つの新作と、アパラタスで発表した佐東利穂子のソロ『パフューム』の再演を行っており、第6回公演の今回は、新作『青い目の男』と再演の『ハリー』を上演する。
 『青い目の男』のもとになるのは、シュルツの短編『夢の共和国』。その内容とは、実現不可能な“夢の共和国”について語らっていた“私達”の前に青い目の男が現れ、共和国設立の宣言をするというもの。男の姿には、自身が信じる美を探求し続ける、あらゆる芸術家を重ねることができるだろう。勿論、勅使川原もその一人であるだけに、どのような世界が立ちのぼるのか、楽しみでならない。一方、『ハリー』は昨年末、オペラ《ソラリス》に先駆けてアパラタスで初演された佐東のソロ。従って、オペラの曲は用いられていない。既にこの世におらず、記憶によって再生された存在であるハリーに、オペラでも同役を踊った佐東が再び挑む。こちらも見逃せない舞台だ。
文:高橋彩子
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年7月号から)

『青い目の男』 7/8(水)19:30、7/9(木)19:30、7/12(日)16:00
『ハリー』 7/10(金)19:30、7/11(土)16:00 
シアターX(カイ)
問:KARAS 03-3682-7441 
http://www.st-karas.com

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