開催中の第30回宮崎国際音楽祭
音楽監督 三浦文彰が記者懇談会に登場!

三浦文彰

 4月20日から5月18日まで、宮崎市のメディキット県民文化センターを舞台に宮崎国際音楽祭が開催されている。30回の節目を迎える今回から、ヴァイオリニストの三浦文彰が音楽監督を務める。およそ1ヶ月にわたる音楽祭も、残るは5月17日、18日のオーケストラコンサート2公演のみとなった。17日は、「ブラームスの殿堂」と題し、三浦がソリストを務めるヴァイオリン協奏曲と交響曲第2番というプログラム。そして最終18日は30周年記念演奏会「苦悩を突き抜け歓喜にいたれ」と銘打ち、ベートーヴェンの第九を披露する。両公演とも、先日ミラノ・スカラ座の次期音楽監督就任が発表されたチョン・ミョンフンが指揮をするということで注目を集めている。リハーサルの合間を縫って、三浦とチョン・ミョンフンが出席して記者懇談会が行われ、これまでの音楽祭について、また公演に向けての抱負を語った。

チョン・ミョンフン

 冒頭、三浦はさっそく「(協奏曲の)リハーサルを終えて、理想的なブラームスの音楽作りができて感無量です。第2番の交響曲も、最終公演の第九も本当に素晴らしい。クライマックスに向け、オーケストラもとてもいい雰囲気になっています」と手応えを語る。

 マエストロ チョンも「オーケストラは、実力者揃いでレベルも高くよい演奏になると思う。アンサンブルは完璧だからもっと深い音楽を作っていきたい」と応える。
 またこの懇談会の前夜、三浦とともに出演した室内楽公演については、「よく冗談で言うんですけど、五重奏は奏者が5人いるじゃないですか。だから自分の役割は2割で、他の人が8割にしてくれれば成功。昨夜の自分の演奏はちょっとよく分からないんですけども、半分だけでもうまくできていたらもう9割できたということなので、多分成功だったと思います」と笑顔で振り返った。

 三浦は、そのマエストロの音楽作りについて次のように話した。
「やはり非常に音楽が深いですね。もう、音が根っこから掘り出されてくるようで。そして音楽の場面のつながりがすごく美しい。細切れにならないから、短く感じるんです。そういうふうに作っておられるので、明日以降のプログラムは大きな山を描いているような感じがしますね」

 最後に音楽祭の将来について。
「宮崎の方たちに、この音楽祭があるということが1つの楽しみであって、誇りであってほしいなと強く思います。そのために音楽の質をこれからも追求していきたいですし、子どもたちの演奏会のような教育プログラムも続けていきたい。あとは世界的な音楽祭とも関係をつくっていけるようにしたいです」

取材・文:編集部

5月15日の室内楽公演より © K.Miura

宮崎国際音楽祭2025

演奏会〔5〕マエストロ チョン・ミョンフン
「ブラームスの殿堂」~協奏曲と交響曲の大伽藍

2025.5/17(土)15:00 メディキット県民文化センター アイザックスターンホール

30周年記念演奏会
「苦悩を突き抜け歓喜にいたれ」~30年を音祝ぐ

2025.5/18(日)15:00 メディキット県民文化センター アイザックスターンホール

https://www.mmfes.jp/2025/