エリザベート王妃国際コンクールが5月5日、ブリュッセルで開幕

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 世界屈指の難関コンクールとして知られるエリザベート王妃国際コンクール(Concours Reine Elisabeth)のピアノ部門が5月5日、ベルギーの首都ブリュッセルのフラジェ・スタジオ4で開幕する。第1次予選は10日まで、連日午後(15時〜)と夜(20時〜)の2セッションで行われる。

第1次予選、セミファイナルの会場 フラジェ スタジオ4 ©Bruno Vessiez

 同コンクールは1937年に創設。今大会には棄権者を除く60名が出場し、24名のセミファイナリストが現地時間10日深夜に発表される。中国・韓国・日本などアジア勢が全体の約4割を占めているが、ショパンコンクール予備予選に比べると、ヨーロッパ勢の存在感が大きい印象。地元ベルギーからは2名。日本勢は、吉見友貴、太田糸音、桑原志織、中川優芽花、亀井聖矢、久末航の6名が出場。国内外での入賞歴を持つ実力者たちが揃っているだけに、注目が集まる。

 2日に行われた抽選会の結果、第1次予選の演奏順が決定した。

◎出場者一覧(5/4現在 年号は生年)
5/5(月)15:00[日本時間22:00]
Dong Ju Kim(韓国 2004)
Robert Neumann(ドイツ 2001)
Tiantuo Li(中国/2003)
Giorgio Lazzari(イタリア 2000)
Chaewon Kim(韓国 2001)
5/5(月)20:00[日本時間5/6 3:00]
Davide Ranaldi(イタリア 2000)
Robert Bily(チェコ 1997)
Zhengyang Fan(中国 2004)
Yuki Yoshimi 吉見友貴(日本 2000)
Yutong Sun(中国 1995)
5/6(火)15:00[日本時間22:00]
Shion Ota 太田糸音(日本 2000)
Junho Kim(韓国/1995)
Nathalia Milstein(フランス 1995)
Rachel Breen(アメリカ 1996)
Jonathan Mak(カナダ 1997)
5/6(火)20:00[日本時間5/7 3:00]
Suah Ye(韓国 2000)
Jiacheng Xiong(中国 1997)
Uladzislau Khandohi(ベラルーシ 2001)
Valère Burnon(ベルギー 1998)
Nikola Meeuwsen(オランダ 2002)
5/7(水)15:00[日本時間22:00]
Seho Young(アメリカ 1997)
Fangzhou Ye(中国 2000)
Aidan Mikdad(オランダ 2001)
Seongwoo Moon(韓国 2000)
Nicolas Margarit(オーストラリア/スペイン 1999)
5/7(水)20:00[日本時間5/8 3:00]
Daumants Liepins(ラトビア 1994)
Yuanfan Yang(イギリス 1997)
Yi-Chen Feng(台湾 1997)
Sergey Tanin(ロシア 1995)
Bo Zhang(中国 2001)
5/8(木)15:00[日本時間22:00]
Miguel Iglesias Lista(スペイン 2002)
Kuan-Wei Chen(台湾 2000)
Arthur Hinnewinkel(フランス 2000)
Alexander Kashpurin(ロシア 1996)
Emin Kiourktchian(スペイン/ロシア 2004)
5/8(木)20:00[日本時間5/9 3:00]
Jacopo Giovannini(イタリア 1997)
Song Hyeon Kim(韓国 2002)
Roeland Vermeulen(ベルギー 1998)
Tom Zalmanov(イスラエル 1999)
Jiaxin Min(中国 1996)
5/9(金)15:00[日本時間22:00]
Bogang Hwang(韓国 1995)
Youl Sun(韓国 2000)
Elizaveta Ukrainskaia(ロシア 1996)
Djordje Radevski(セルビア 1998)
Sunah Kim(韓国 2001)
5/9(金)20:00[日本時間5/10 3:00]
Shiori Kuwahara 桑原志織(日本 1995)
Yumeka Nakagawa 中川優芽花(日本 2001)
Ron Maxim Huang(ドイツ 2001)
Mirabelle Kajenjeri(フランス 1998)
Jinwoo Bae(韓国 2001)
5/10(土)15:00[日本時間22:00]
Denis Linnik(ベラルーシ 1995)
Hehuan Yu(中国 1995)
Yiheng Wang(中国 1996)
Masaya Kamei 亀井聖矢(日本 2001)
Yali Zaken(イスラエル 2004)
5/10(土)20:00[日本時間5/11 3:00]
Wataru Hisasue 久末航(日本 1994)
Hao Tian(中国 2002)
Jinhyung Park(韓国 1996)
Changyong Shin(韓国 1994)
Jaeyoung Lee(韓国 1995)

 第1次予選は、約25分のステージ。ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン(作品31まで)のソナタから第1楽章、自由曲、そして4つのエチュード(ショパン、リスト、リゲティ、他作曲家による1曲)という課題の中から、各コンテスタントがどの作品を演奏するかを審査員が指定し、本番1時間前に本人に演奏曲が知らされるという、なかなかタフなシステムとなっている。

 24名に絞られたセミファイナルは、約40分のリサイタル(Ana Sokolovićによる新作を含む)と、約30分のモーツァルトの協奏曲の2ステージから成る。前者では、事前に提出した2種類のリサイタル・プログラムからどちらが選択されるのかが、演奏29時間前にコンテスタントに通知される。こちらも、実際には演奏しないレパートリーを準備する必要がある過酷なラウンド。

ファイナルの会場 パレ・デ・ボザール(Bozar) La Salle Henry Le Bœuf
©Bruno Vessiez

 12名が進出するファイナルまでには、1週間以上の空き日が設けられている。ファイナリストは、抽選順に1日2人のペースで外界と隔絶されたエリザベート王妃音楽礼拝堂(ワーテルローにある学術機関)に移動し、Kris Defoortによる未発表のピアノと管弦楽のための作品(10〜15分)の楽譜を渡され、各自研究と練習を重ねる。ファイナルのステージでは、その作品と自身が選んだ協奏曲の2曲を演奏する。準備期間やオーケストラとのリハーサルも含め長丁場となるが、共演が大野和士指揮のブリュッセル・フィルであることは、日本のコンテスタントが進出した場合には、いくらか心理的アドバンテージにはなるのかもしれない。ファイナルの会場は、ベルギーを代表するコンサートホール、パレ・デ・ボザール。

 審査員は、ジル・ルデュール(審査員長)のほか、イモージェン・クーパー、フランソワ=フレデリック・ギィ、児玉桃、デニス・コジュヒン、ラウラ・ミッコラ、アンヌ・ケフェレック、ジャン=クロード・ヴァンデン・エインデン、ボヤン・ヴォデニチャロフ、アンナ・ヴィニツカヤが務める。まさに“キング・オブ・ピアニスト”を選ぶ、他に類をみないコンクール。世界から集まった才能あふれる若者たちの奮闘が繰り広げられる約1ヵ月となる。

文:編集部

◎エリザベート王妃国際コンクール日程
5/5(月)〜5/10(土) 第1次予選(フラジェ)
5/12(月)〜5/17(土) セミファイナル(フラジェ)
5/26(月)〜5/31(土) ファイナル(ボザール)
6/3(火) 表彰式
6/4(水)、6/5(木) 入賞者リサイタル(フラジェ)
6/9(月) 入賞者コンサート(第4〜6位/ボザール)
6/11(水) クロージング・コンサート(第1〜3位/ボザール)

Queen Elisabeth Competition
https://queenelisabethcompetition.be