第12回大阪国際室内楽コンクール&フェスタが5月に開催!

世界から32団体の精鋭アンサンブルが集結

 3月24日、第12回大阪国際室内楽コンクール&フェスタ(主催:日本室内楽振興財団)の開催記者発表が大阪市内で行われた。1993年以降、コロナ禍で中止となった2020年を除き3年毎に開催されている同大会。今回は、世界25ヵ国・地域から応募した135団体のうち32団体が映像による予備審査を通過。5月に大阪・住友生命いずみホールを中心に、本審査が行われる。会見にはフェスタ特別審査員代表の呉信一(トロンボーン/京都市立芸術大学名誉教授)らが登壇し、出場団体の発表や今大会の詳細な説明が行われた。

左より:河井拓(総合プロデューサー)、呉信一、松本正義(開催委員会会長)、松田陽三(開催委員会副会長)、藤門浩之(運営本部長)

 ショパン、エリザベートをはじめ、著名な国際コンクールが加盟する「国際音楽コンクール世界連盟」の基準に基づき運営される「大阪国際室内楽コンクール」。第1部門は弦楽四重奏、第2部門は様々な編成を経て現在はピアノ三重奏またはピアノ四重奏を審査対象とし、これまでにクァルテット・エクセルシオ(第2回・第2位)やウェールズ弦楽四重奏団(第7回・第3位)らを輩出。世界有数の室内楽コンクールとして若手演奏家の登竜門となっており、今回も各部門8団体の精鋭たちがしのぎを削る。第1部門には国内で活躍の場を広げるカルテット風雅の他、東京音楽大学在学中に結成され現在はオーストリアで研鑽を積むクァルテット浬(かいり)が出場する。課題曲はベートーヴェン、シューベルト、ブラームスなどそれぞれの編成の核となるレパートリーから、細川俊夫ら邦人作曲家の作品まで幅広く、とりわけ第1部門では国際的な評価を高める酒井健治(京都市立芸大教授)の委嘱新作が課されるのも見逃せない。

2023年「コンクール」よりクァルテット・インダコ(第1部門第1位) 提供:日本室内楽振興財団

 審査委員には、澤和樹(ヴァイオリン/澤クヮルテット)、相沢吏江子(ピアノ/ホルショフスキ・トリオ)ら国内外で活躍する音楽家が名を連ねる。また、今大会では過去の優勝団体のメンバーが招聘されているのも特徴で、第2回の覇者、ヘンシェル・クァルテットのモニカ・ヘンシェル(ヴィオラ)が審査委員長を務める。ヘンシェルはビデオメッセージを通じて、「私自身、かつての優勝経験を通じて、このコンクールでの評価が若いアンサンブルにとってどれほど重要なものか理解しています。これによって、世代を超えた支援のサイクルを生み出していると言えるでしょう」とコメントを寄せた。

モニカ・ヘンシェル(2023年開催時より) 提供:日本室内楽振興財団

 「コンクール」と同時開催される「大阪国際室内楽フェスタ」は、2人から6人までのアンサンブルであれば楽器の組み合わせは自由、年齢制限もなしという独自の枠組みで審査を行う音楽祭。課題曲も設定されず、クラシック音楽に限らず民族音楽や伝統楽器による演奏も対象とする。今回から新たに歌唱や舞も参加可能になり、実際に出場16団体の中にはクラリネット四重奏にヒップホップダンサーが加わるという異色の編成も含まれている。また、1次ラウンドに関しては前大会に引き続き富山・三重で開催。室内楽の魅力を他都市にも発信する。

2023年「フェスタ」よりテンゲル・アヤルグー(メニューイン金賞) 提供:日本室内楽振興財団

 審査は呉信一、河野正孝(オーボエ)、山本祐ノ介(チェロ/指揮)、片岡リサ(箏)ら6名の特別審査員に加えて、事前に公募した一般聴衆によって行われる。呉はこのユニークな「フェスタ」の審査を務めることの面白さ、そして難しさについて次のように語った。

「『フェスタ』では、クラシック畑の私には見たこともないような民族楽器たちがステージにあがってくることもあります。どうやってこの楽器を鳴らすのか、どんな音色なのか。そして実際に演奏がスタートして、見事にブレンドした音色が響きわたると、ファンになってしまうわけです。
 このような多彩な音楽が披露される場で、審査にあたっては単純に点数で比べることはできません。100点満点にしたとして、クラシック音楽と民族音楽、それぞれの100点はまったく違うわけですから。ですので予備審査では、審査委員の話し合いでもって出場団体を決定しました。大変な作業ですが、点数の比較では説明できないような素晴らしい楽器の競演が行われた中で、『どの演奏が一番優れていたか』という観点で決めることができたと思います」

呉信一

 「フェスタ」は5月9日から13日、「コンクール」は同月17日から24日まで開催。ともにYouTubeでの審査演奏のライブ配信も予定されている。世界各国から集結した演奏家たちが、晴れの舞台でどのような一期一会のアンサンブルを繰り広げるのか、しかと聴き届けたい。

文・撮影:編集部

第12回大阪国際室内楽コンクール&フェスタ

2026.5/9(土)~5/24(日) 大阪/住友生命いずみホール 他

第12回大阪国際室内楽フェスタ

●1次ラウンド(富山)

5/9(土)10:30~18:00 富山県高岡文化ホール
●1次ラウンド(三重)
5/9(土)10:30~18:00 三重県文化会館
●セミファイナルラウンド(大阪)
5/12(火)10:00~17:00 住友生命いずみホール
●ファイナルラウンド(大阪)
5/13(水)14:00~17:30 住友生命いずみホール

●フェスタ Ensemble SHOWCASE
セミファイナルに選出されなかった参加団体が、用意したレパートリーを披露
5/11(月)、5/12(火) 両日19:00 大阪/住友生命いずみホール

第12回大阪国際室内楽コンクール

第1部門→弦楽四重奏 第2部門→ピアノ三重奏または四重奏
会場:大阪/住友生命いずみホール

●第1部門 1次ラウンド
5/17(日) 10:00~19:45
●第2部門 1次ラウンド
5/18(月) 10:00~19:45
●第1部門 2次ラウンド
5/19(火) 10:00~20:15
●第2部門 2次ラウンド
5/20(水) 10:00~20:15
●第1部門 3次ラウンド
5/21(木) 10:30~17:20
●第1部門・第2部門 ファイナルラウンド
5/22(金) 10:00~17:50

披露演奏会

5/23(土)14:00~18:00 大阪/住友生命いずみホール
5/24(日)14:00~16:00 サントリーホール ブルーローズ(小)

♪出演
コンクール第1部門・第2部門の1位〜3位受賞団体(大阪公演)
コンクール第1部門・第2部門の1位受賞団体(東京公演)

第12回大阪国際室内楽コンクール&フェスタ
https://jcmf.or.jp/12thcompetition-festa/