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「シンフォニック」を越えて――ヤノフスキ、作曲家晩年の宗教作品を指揮する
2014年以来、東京・春・音楽祭「ワーグナー・シリーズ」への出演を重ねるマレク・ヤノフスキ。今年は、大作《パルジファル》に加え、あの「第九」と双璧をなす、ベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」……と、二人の大家の晩年の重要作品を指揮します。
宗教的な意味合いも強いこれらの二作品を、86歳、ドイツの巨匠はどう彫琢してゆくのか…… ヤノフスキへのインタビューを何度も行っている音楽評論家・舩木篤也さんが、これまでの彼の言葉や音楽作りを踏まえ論じています。
文:舩木篤也(音楽評論)

「シンフォニック」を越えて――ヤノフスキ、作曲家晩年の宗教作品を指揮する
「これは、合唱とソリストのデコレーションをともなった交響曲ですよ。」
マレク・ヤノフスキが、ベートーヴェンの《ミサ・ソレムニス》について問われて返した答えである。2021年、ドレスデンで持たれたインタビューより引いた。デコレーションなどというと、「ただのお飾り」のようにも取れ、なんとも大胆な発言に聞こえよう。だが眼目は、「交響曲」のほうにあるはず。彼の指揮ぶりを聴き、見ていると、つくづくそう思う。
たとえば、《ミサ・ソレムニス》の第2曲〈グローリア〉。テンポが頻繁に変わるこの曲最後の指定は、プレスト、すなわち「急速に」。ここでヤノフスキは、ほんとうに、これ以上ないほど速く振る。あのフルトヴェングラーが指揮する《第9》の最後、オーケストラだけによる後奏は、あわや空中分解かというほど速くて有名だが、あれに迫る勢いだ。・・・・
東京春祭ワーグナー・シリーズ vol.16
《パルジファル》(演奏会形式) ライブ配信あり
2025.3/27(木)、3/30(日)各日15:00 東京文化会館
●出演
指揮:マレク・ヤノフスキ
アムフォルタス(バリトン):クリスティアン・ゲルハーヘル
ティトゥレル(バスバリトン):水島正樹
グルネマンツ(バス):タレク・ナズミ
パルジファル(テノール):ステュアート・スケルトン
クリングゾル(バス):シム・インスン
クンドリ(メゾソプラノ):ターニャ・アリアーネ・バウムガルトナー
管弦楽:NHK交響楽団
合唱:東京オペラシンガーズ 他
●料金(税込)
S¥27,000 A¥22,500 B¥18,500 C¥15,000 D¥12,000 E¥9,000
U-25 ¥3,000
ネット席 ¥1,500
東京春祭 合唱の芸術シリーズ vol.12
ベートーヴェン《ミサ・ソレムニス》 ライブ配信あり
2025.4/4(金)19:00、4/6(日)15:00 東京文化会館
●出演
指揮:マレク・ヤノフスキ
ソプラノ:アドリアナ・ゴンサレス
メゾソプラノ:ターニャ・アリアーネ・バウムガルトナー
テノール:ステュアート・スケルトン
バス:タレク・ナズミ
管弦楽:NHK交響楽団
合唱:東京オペラシンガーズ 他
●料金(税込)
S¥17,500 A¥15,000 B¥13,000 C¥11,000 D¥9,000 E¥7,000
U-25 ¥3,000
ネット席 ¥1,500
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