高原に響くサックスに酔う
内外の一流アーティストが登場する、八ヶ岳高原音楽堂の豪華なサロンコンサート。この音楽堂は八ヶ岳高原ロッジ内の施設なので、ディナー&宿泊つきのプランが用意されているのも大きな魅力だ。
5月には、日本サックス界を30年以上にわたって牽引する須川展也が登場。長年の共演パートナー小柳美奈子(ピアノ)とともに、カッチーニ「アヴェ・マリア」、J.Sバッハ「G線上のアリア」や、モリコーネ「ニューシネマパラダイス」などの十八番を艶やかに歌い上げる。ハイライトは、長生淳がサックス用に編曲したムソルグスキー「展覧会の絵」。サックス奏者が1人で楽器4本(ソプラノ、アルト、テナー、バリトン)を持ち替え、ピアノ伴奏のみで全曲演奏するという実にユニークで野心的な編曲版だ。初演から10年以上経ち、現在は楽譜も出版されるなど、着実に“古典”になりつつあるこの名編曲の“現在(いま)”が、春の秀麗な八ヶ岳に堂々と響きわたる。
文:渡辺謙太郎
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年5月号から)
5/30(土)17:30 八ヶ岳高原音楽堂
問 八ヶ岳高原ロッジ0267-98-2131
http://www.yatsugatake.co.jp