びわ湖ホールをメイン会場として、4月26日、27日の二日間にわたって開催される「びわ湖の春 音楽祭2025」。2月26日、同ホール内で記者会見が行われ、芸術監督の阪哲朗、館長の村田和彦らが登壇した。

芸術監督のバトンが沼尻竜典から阪へと受け渡されたのと時を同じくして名称を改め、新たなスタートを切り3年目を迎える同音楽祭。今年のテーマは、“挑戦”。
「2025年度のプロデュースオペラでは《トゥーランドット》を取り上げますが、作中で姫の出す謎にひるむことなく挑み続けるカラフのようなあり方を大切にしたい、という想いが込められています。クラシック音楽のような再現芸術は、作品そのものは一切変化しませんが、だからこそそこに携わる人間にとって、慣習をふるいにかけて新しいものを創り出そうとする姿勢は欠かせません。各公演のプログラムは、このテーマに基づいて出演者の皆さんにお任せしています。それぞれどんな“挑戦”をしたのかは、コンサート中のトークでお話してくださると思うので、本番でのお楽しみです」

有料のコンサートは、大・中・小3つのホールで計15公演開催される。阪にとって今回、一つの“挑戦”となるのが、びわ湖ホール声楽アンサンブルと県内の高校の合同合唱団が共演するコンサート(4/26・中ホール)。「ただ単に一緒に歌うだけ、ではなく、世代やプロアマの垣根を超えてともに試行錯誤を重ね、“自己ベスト”を更新してもらえるような本番ができれば」と公演に向けた意気込みを熱く語った。
昨年の第12回浜松国際ピアノコンクールで日本人初優勝を飾った鈴木愛美の出演も話題を呼びそうだ。阪率いる京都市交響楽団による「オープニング・コンサート」でベートーヴェンの協奏曲第4番のソリストを務めるほか(4/26・大ホール)、シューベルトのソナタ第18番「幻想」1曲プログラムのソロコンサートも(4/27・小ホール)。今年度初開催、1月に本選が実施された「第1回びわ湖ホールピアノコンクール」の1位受賞者による無料公演も行われるので(4/27・中ホール)、新たなステージへと羽ばたくピアニストたちを知るまたとない機会となりそうだ。ハンスイェルク・シェレンベルガー(オーボエ)、上野通明(チェロ)、片岡リサ(箏)、通崎睦美(木琴)ら各楽器を代表する実力派奏者も集結、いずれの公演も充実のプログラムが組まれている。
昨年、5年ぶりに復活したメインロビーでの無料コンサートは今年も継続。有料公演に出演するアーティストに加え、県内のジュニアオーケストラや児童合唱団、北欧伝統楽器によるバンドなど、多彩な顔ぶれが音楽祭を盛り上げる。また、メイン会場を飛び出して、声楽アンサンブルのコンサート(4/5,4/6,4/19・長浜市、草津市、米原市)、大人も子どもも楽しめる音楽イベント「ルシオール アート キッズ フェスティバル」(5/18・守山市)などの関連公演も県内各地で開催される。
本音楽祭は「幼いうちに本物の音楽に触れてほしい」という想いで3歳から入場可能、さらに京都フィルハーモニー室内合奏団による「0歳児からのコンサート」も2公演開催される(4/26,4/27・中ホール)。未就学の子どものコンサートデビューとしてまたとない機会となるだろう。音楽祭とコラボした酒・紅茶の物販や、地元の飲食店による飲食ブースも予定。のどかな春の週末、音楽に包まれながら、一家団欒の時を過ごしてはいかがだろうか。

文:編集部
写真提供:びわ湖ホール
びわ湖の春 音楽祭2025 ~挑戦~
2025.4/26(土)、4/27(日) びわ湖ホール
https://festival.biwako-hall.or.jp
※音楽祭の詳細は、上記ウェブサイトにてご確認ください。
3/15(土)発売