ヘンリ・タタル&ルドヴィート・カンタ&酒井有彩のトリオが紡ぐスラヴ色豊かなピアノ三重奏曲を

左より:ヘンリ・タタル/ルドヴィート・カンタ/酒井有彩 ©Yoshinori Kurosawa

 ともにスロヴァキア出身の名手であるヴァイオリンのヘンリ・タタルとチェロのルドヴィート・カンタ、そしてピアノの酒井有彩によるピアノ三重奏の夕べが、日経ホールで開催される。ヘンリ・タタルは仙台フィルの第1ヴァイオリン奏者。ソロや室内楽でも意欲的に活動し、スロヴァキア大使館主催のチャリティーコンサートを企画するなど、スロヴァキアと日本の架け橋となっている。ルドヴィート・カンタは長年オーケストラ・アンサンブル金沢の首席チェロ奏者を務め、オーケストラの発展に多大な貢献を果たしてきた。酒井はベルリン芸術大学を最優秀で卒業し、レオポルド・ベラン国際コンクール第1位他の受賞歴を誇る。

 プログラムの中心となるのは、ドヴォルザークのピアノ三重奏曲第4番「ドゥムキー」。全編にわたってスラヴ色豊かな旋律が次々と紡ぎ出される名曲である。チェコの作曲家マルティヌーのスロヴァキアの主題による変奏曲、ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲第1番など、このメンバーならではのプログラムが魅力だ。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2025年2月号より)

第555回日経ミューズサロン
ヘンリ・タタル(ヴァイオリン) + ルドヴィート・カンタ(チェロ) + 酒井有彩(ピアノ) ピアノ三重奏の夕べ
2025.2/4(火)18:30 日経ホール
問:日経公演事務局03-5227-4227
https://art.nikkei.com