クリストフ・エッシェンバッハ(指揮) ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

“古典”への回帰

左:クリストフ・エッシェンバッハ 右:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団  ©Terry Linke(2点とも)
左:クリストフ・エッシェンバッハ
右:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
©Terry Linke(2点とも)

クリストフ・エッシェンバッハがタクトを上げると、ホールに凛とした空気が漲る。あの独特な緊張感のある指揮ぶりを心待ちにしている人も多いはず。今年はウィーン・フィルとの来日だ!
2011年もこの組み合わせで来日しているが、エッシェンバッハはこのところウィーン・フィルとの関係が密。楽団独自のサウンドに自らの個性を程良くマッチさせる力が支持されているのだろう。東京での3プログラムの軸にあるのはモーツァルトだが、今年はソリストを外から招聘せず、両者の緊密ぶりが味わえそうだ。10月4日はクラリネットのオッテンザマーをはじめウィーン・フィルの木管群が勢ぞろいして、「協奏交響曲」が演奏される。組み合わされるのはハイドン「オックスフォード」とベートーヴェン「交響曲第1番」で、古典派の精髄が楽しめる。
10月6日はエッシェンバッハのソロでモーツァルト「ピアノ協奏曲第23番」。もともとエッシェンバッハはピアニスト出身で、前回のウィーン・フィルとの来日時には、帯同していたラン・ランとアンコールで4手ピアノを披露してくれた。この日は他にチャイコフスキー「弦楽セレナード」とプロコフィエフ「古典交響曲」。ロマン派からモダンへと広がる品のよい選曲だ。
10月8日はモーツァルト後期三大交響曲。シルクのような弦、滋味豊かな木管、まろやかにとけ込むホルン…。極上のサウンドが心行くまで味わえるだろう。
今回の来日では、東京に加え、大阪と名古屋でも公演がある。大阪のプログラムは「ピアノ協奏曲23番」「古典交響曲」「ジュピター」という組み合わせで、名古屋は後期三大交響曲だ。
文:江藤光紀
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年5月号から)

10/4(日)16:00、10/6(火)19:00、10/8(木)19:00 サントリーホール
問 サントリーホールチケットセンター0570-55-0017
5/17(日)発売
http://suntory.jp/HALL/


他公演
10/2(金)フェスティバルホール(06-6231-2221/ 4/26発売)
10/3(土)愛知県芸術劇場コンサートホール(クラシック名古屋052-678-5310/ 5/10発売)