パーヴォ・ヤルヴィ&パリ管弦楽団 会見

パーヴォ・ヤルヴィが音楽監督に就任してから初めての来日ツアーを行う、パリ管弦楽団の記者会見が11月18日に行われた。出席者は、パリ管弦楽団の事務局長:ブリュノー・アマール、同団音楽監督:パーヴォ・ヤルヴィ、同楽団芸術監督ディディエ・ド・コッティニーら。以下はヤルヴィ氏のコメント(※)を除く。

 ●今回のツアーについて
「今回がパリ管と初の来日ツアーです。かなり前から日本の方々がいかにパリ管を愛しているのかを伝えきいています。日本は大好きな国です。なぜなら、ヨーロッパの人々と同レベルのクラシック音楽に対する情熱と深い造詣をお持ちだからです。今回の来日ツアーでは、フランス音楽(ドビュッシー、ビゼー、ベルリオーズ、メシアン)、それにストラヴィンスキーなどを演奏します。ドビュッシーの「クラリネットと管弦楽のため狂詩曲第1番」のソロ・クラリネットはパリ管の奏者がソロを演奏します。これも非常にうれしいことです」
 
●音楽監督と芸術監督の仕事の違いについて
「音楽監督は面白いプログラムを作るのが仕事です。芸術監督のディディエ・ド・コッティニーさんは、元デッカのトップだった伝説的な人物です。彼のおかげで、素晴らしいアーティストたちと音楽を作ることができます」
 
●以上の質問に対する芸術監督ディディエ・ド・コッティニー氏の回答※
「パーヴォはご存じのように非常に忙しのですが、音楽の世界で何が起こっているのかを熟知しています。私は彼にいつも新しい作品とアーティストの提案をしています。また、パーヴォはいつも挑戦的なプログラムを作ろうとしています」
 
●オーケストラの伝統どのように守り、またどのようにそれを変えていくのか?(以下ヤルヴィ氏)
「パリ管は、相対的に若いオーケストラですが、カラフルな歴史があります。創設者の1人がミンシュですし、カラヤン、ジュリーニ、小澤征爾、エッシェンバッハなど様々な著名な指揮者と共に音楽を創ってきました。パリ管は音楽に感情的に”引火する”(情熱的な)オーケストラです。観客と感情的に結びつくことができるのです。ただ、どのオーケストラでもいわゆる”落ち着く場所”があり、パリ管もそれがあることは確かです。そこでそれを少し揺さぶって変えていくことも必要です」
 
●今後のパリ管のプログラミングについて
「いわゆるピリオド奏法(時代背景考証に基づく演奏法)を用いたハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンなどを演奏したいですね。すでに定期公演ではたくさんの古典派作品を取り上げています。また、シベリウスや、ニールセンなど私が得意とする北欧もの、そしてビゼー、フォーレなどのフランスものでもあまり演奏されない作品も積極的に取り入れたいです。もしかすると次の来日ツアーで、シベリウス・ツィクルスをみなさんに披露できるかもしれません」
 
同コンビの来日ツアーはすでに始まっていますが、東京公演は11/26(土)、11/27(日)・サントリーホールにて行われます。詳細はKAJIMOTO HPで。