坂本龍一氏らが被災した学校の楽器の修理支援などを目的とした音楽基金を設立

 全国の楽器製造者・卸売業者・小売業者が加盟している全国楽器協会が、東日本大震災で被災した学校の楽器の点検・修理・補修支援を目的としたプロジェクト「School Music Revival(スクール・ミュージック・リバイバル)」を7月20日より開始した。同協会の代表者のほか、プロジェクト発起人の1人である坂本龍一氏も出席した記者会見が同日行われ、支援の核となる「こどもの音楽再生基金」の設立も発表された。
 「School Music Revival」は大きく第1次活動・第2次活動に分けられる。第1次活動は、震度6弱以上を記録し津波被害の大きかった岩手、宮城、福島3県(要望があれば他県の被災校も対象)の小・中・高校約1850校を対象に今後3年間、音楽備品の点検、修理、補修を行う。第2次活動は、修理不能な楽器の購入費用補助と子供たちの音楽活動支援を予定。これらの活動費用に「こどもの音楽再生基金」が充てられる。寄付は下記のウェブサイトからもオンラインで可能。以下は坂本龍一氏のコメント。
 「3月11日、私は東京でレコーディング中でした。その後テレビで次々と映し出される惨状を見て、茫然としながらも音楽家として何ができるのかを考え始めました。そして、震災で被害を受けた楽器に対して何かできるのではと思ったのです。このことを長くお世話になっておりますヤマハの方々に相談しました。そして1社ではなく全国楽器協会を通じ、楽器業界全体で支援していくという方針がまとったのです。このプロジェクトは忍耐と時間、そしてお金がかかると思います。この震災の被害の全容は気が遠くなるほど巨大なものです。先日、岩手・陸前高田市に行って参りました。報道で映像や写真を見たことがあるとはいえ、実際に自分の目で見た被災地の被害の甚大さに大変なショックを受けました。当初は水や食べ物を手に入れることすら困難な状況の被災者の方々も、いずれ本や音楽が必要になるときが遠からず来ると思います。この基金を通じて私たちが長期的に音楽面で支援をするかたちを創っていきたいと思います」
「School Music Revival」ウェブサイトHP