第13回 音楽大学フェスティバル・オーケストラ

音大フェス初の合唱付きプログラムに名匠と挑戦

シルヴァン・カンブルラン ©読売日本交響楽団

 東京芸術劇場とミューザ川崎シンフォニーホールとの共同企画である「音楽大学フェスティバル・オーケストラ」が今年も編成され、今回はフランス出身の名指揮者、シルヴァン・カンブルランが招かれる。音楽大学フェスティバル・オーケストラは、上野学園大学、国立音楽大学、昭和音楽大学、洗足学園音楽大学、東京音楽大学、東京藝術大学、東邦音楽大学、桐朋学園大学、武蔵野音楽大学の首都圏にある9つの音楽大学の選抜メンバーで構成される。メイン曲は、カンブルランの十八番のフランス音楽から、ラヴェルのバレエ音楽「ダフニスとクロエ」(全曲)。この作品では合唱が必要なため、初めて首都圏9音楽大学選抜コーラスが編成されるのにも注目である。カンブルランが若い演奏家たちと色彩豊かな音楽を作り上げるに違いない。

 演奏会の前半ではマーラーの交響曲第10番より「アダージョ」が演奏される。カンブルランにとってこの作品は、2010年4月の読売日本交響楽団の常任指揮者就任披露となる定期演奏会で取り上げていた得意のレパートリーである。もともとこのプログラムは東京オリンピックが開催された2021年に予定されていたものであるが、コロナ禍により延期となり、パリオリンピックが開催される今年、フランス出身のマエストロを迎えて実現できるのは日仏のつながりをより深めることとなるだろう。名匠カンブルランの指揮のもと、各音楽大学から選抜された学生たちが一期一会の演奏を披露する。   
文:山田治生
(ぶらあぼ2024年3月号より)

2024.3/30(土)15:00 東京芸術劇場 コンサートホール
問:東京芸術劇場ボックスオフィス0570-010-296 
https://www.geigeki.jp
2024.3/31(日)15:00 ミューザ川崎シンフォニーホール
問:ミューザ川崎シンフォニーホール044-520-0200 
https://www.kawasaki-sym-hall.jp