東京・春・音楽祭 2024 子どものための無料イベント&ライブ・ストリーミング配信の詳細が発表

 3月15日から4月21日にかけて開催される、上野の春の風物詩「東京・春・音楽祭 2024」。同音楽祭の名物の一つ、子ども向けの音楽プログラム「東京春祭 for Kids」の詳細が発表された。

 未就学児から高校生まで、幅広い年代に向けて様々な企画を展開している「東京春祭 for Kids」。バイロイト音楽祭との提携公演である目玉プロジェクト「子どものためのワーグナー」では、同音楽祭総監督のカタリーナ・ワーグナーの監修・再演 演出による《トリスタンとイゾルデ》が上演される。大作のワーグナー・オペラを約70分に凝縮、歌手も日本語で台詞を語りつつドイツ語で歌うなど、子どもでもわかりやすいよう再編成が施される。出演者は伊藤達人(トリスタン)、山下浩司(マルケ王)、田崎尚美(イゾルデ)ら国内の実力派の歌い手に、石坂宏(指揮)率いる精鋭ぞろいの東京春祭オーケストラと、盤石の布陣。舞台と客席の間はわずか数メートル、迫力に満ちた本格的なオペラ体験ができる。

子どものためのワーグナー《ニュルンベルクのマイスタージンガー》(2023年) ©飯田耕治

 また、無料公演も充実。0歳から中学生までの子どもを主な対象とした「子どものための絵本と音楽の会」は、未就学児もクラシック音楽を気軽に楽しむことができ、毎年人気のイベント。『クマとこぐまのコンサート』(作:デイビッド・リッチフィールド/訳:俵万智)の心温まる物語の朗読(堀井美香)と、ショパンのポロネーズ第6番「英雄」や湯山昭「あめふりくまのこ」などの演奏(クラリネット:東紗衣、コントラバス:谷口拓史、ピアノ:居福健太郎 他)が行われる。

子どものための絵本と音楽の会 『クマとこぐまのコンサート』 ©ヒダキトモコ

 中高生を対象とした「子どものための公開リハーサル」は、ワーグナー《トリスタンとイゾルデ》、プッチーニ《ラ・ボエーム》、ブルックナー「ミサ曲第3番」の3公演が対象。公開リハーサル前には約20分の事前解説も行われ、一流の音楽家が集結する公演が仕上げられていく過程を存分に見学することができる(いずれも事前応募制、定員100名)。

子どものための公開リハーサル ブラームス「ドイツ・レクイエム」(2023年) ©平舘平

 また、2月1日より「東京・春・音楽祭 LIVE Streaming 2024」サイトもオープン。今年は66公演(オープン時点)のライブ・ストリーミング配信(有料)が予定されている。最大4K(一部2K)・256Kbps音声ビットレート、自宅でも会場さながらの音質で演奏を堪能できる。さらに画面をタップすることで映像の拡大縮小表示が可能で、一部オペラ・歌曲公演では字幕機能やスイッチング映像も提供されるなど、配信ならではの楽しみ方も。

ライブ・ストリーミング配信画面

 会場以外でも様々な形で楽しめる「東京・春・音楽祭 2024」。約1ヵ月半後の開幕が待ち遠しい。


「東京春祭 for Kids」
子どものためのワーグナー《トリスタンとイゾルデ》(バイロイト音楽祭提携公演)
2024.3/23(土)14:00、3/24(日)14:00、3/28(木)19:00、3/30(土)14:00、3/31(日)14:00
三井住友銀行 東館 ライジング・スクエア1階 アース・ガーデン

子どものための絵本と音楽の会『クマとこぐまのコンサート』
2024.3/24(日)13:30 15:00
国立国会図書館 国際子ども図書館 レンガ棟 ホール(3階)

子どものための公開リハーサル
《トリスタンとイゾルデ》
2024.3/25(月)14:30
東京文化会館
《ラ・ボエーム》
2024.4/9(火)17:30
東京文化会館
《ミサ曲第3番》
2024.4/13(土)10:30
東京文化会館