2010年度「武満徹作曲賞」の受賞作品発表される

 より創造的な音楽文化を育むため、東京オペラシティ文化財団が世界の次代を担う若い世代に新しい音楽作品の創造を呼びかける「武満徹作曲賞」。12回目となる2010年度の審査員は現代フランスを代表する作曲家のトリスタン・ミュライユ。5月30日(日)に大井剛史(指揮)東京フィルハーモニー交響楽団により本選演奏会が行われ、下記のように受賞作品が発表された。
第1位 ホベルト・トスカーノ(ブラジル):FIGURES AT THE BASE OF A CRUCIFIXION
第2位 アンドレイ・スレザーク(スロバキア=ハンガリー):Aquarius
第2位 難波 研(日本):Infinito nero e lontano la luce
第3位 山中千佳子(日本):二つのプレザージュ
 トリスタン・ミュライユは「提出されたスコア全体の平均的なレベル、水準というものは非常に高いものでした。非常にプロフェッショナルな書法の熟達が見られます」と応募作品のレベルの高さを賞賛した。第1位に選出したホベルト・トスカーノの作品については「非常に美しい響き、そして演劇的な、劇的で強烈な情感を込めたパッセージがたくさんみられる楽曲だったと思います。さまざまな音楽上のイベントが起きるタイミング、これが非常に秀逸でした。そして形式が説得力に富むものだったと思います(抜粋)」と評した。第1位受賞者には賞金100万円、第2位受賞者には75万円、第3位受賞者には50万円が贈られた。
 次回、2011年度の「武満徹作曲賞」(審査員:サルヴァトーレ・シャリーノ)は、現在作品を募集している。応募締切は2010年9月30日(木)。

東京オペラシティ文化財団