阿久津麻美 ソプラノリサイタル

巨匠たちに導かれて歩む豊かなる“歌”の旅路

 ピアノの巨匠イェルク・デームスに認められ、国内外で共演を重ねたソプラノ歌手・阿久津麻美がリサイタルを開催する。学生時代にエディタ・グルベローヴァのリサイタルを聴いて衝撃を受けて以来、徹底的に発声法にこだわってきたという阿久津。世界的テノール、ウーヴェ・ハイルマンに師事するなど研鑽を重ね、近年はウィーン・フィルの首席クラリネット奏者ダニエル・オッテンザマーや首席フルート奏者カール=ハインツ・シュッツと共演を重ねるなど歌曲の分野でも活躍している。

 今回のリサイタルは、前半はシューマンやシューベルト、リヒャルト・シュトラウスなどのドイツリートを中心としたプログラム(なんとデームスの作品も含まれている!)、そして後半はオペラ・アリアを置いた。共演は園田隆一郎(ピアノ)と吉鶴洋一(ヴィオラ)。王子ホールという歌手にとってはまたとないステージで、阿久津が真摯に追求してきた「歌」の世界が私たちの前にすがたを現す。
文:室田尚子
(ぶらあぼ2023年6月号より)

2023.7/2(日)14:00 王子ホール
問:プロアルテムジケ03-3943-6677 
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