劇場から羽ばたく若き音楽家たちの未来に注目!
「芸劇オーケストラ・アカデミー・フォー・ウインド」は、東京芸術劇場が進めているアカデミープログラムだ。若き管打楽器奏者たちの演奏力をオーケストラ・プレイヤーとして活躍できるように磨き上げ、さらには音楽家として社会的に輝ける人材へと育成することが狙いだ。このプログラムが特徴的なのは、講師陣に福川伸陽(ホルン)といった一流の管打楽器奏者だけでなく、岡田奏(ピアノ)をはじめ、声楽や弦楽器の演奏家を迎えており、レッスンでは演奏技術面のみならず音楽的な表現力を広く深く身につけ、さらに音楽家としてのキャリア形成やセルフプロデュース力を学ぶワークショップにも力を注いでいる。
オーディションを通過した約20名の奏者たちはアカデミーに最長3年間在籍し、その学びと経験の成果を年度末に発表するステージが用意されている。今年度は2月10日から12日までの3日間にわたり、「卒団生によるショーケース」と「室内楽演奏会」が実施される。「ショーケース」ではクラリネット、ホルン、ファゴットを専攻する6名が、リサイタル形式で自ら選曲したプログラムを披露する。アカデミー生と講師陣が共演する「室内楽演奏会」は、聴き応えたっぷりのコンサート。今年はR.シュトラウスの「13管楽器のための組曲」、ヘンデル(ハワース編)の「王宮の花火の音楽」などに取り組む。これからの音楽シーンを担う若き音楽家たちの門出を祝してエールを送り、プロとしての覚悟を決めた彼らのみずみずしい演奏に耳を傾けたい。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2023年1月号より)
卒団生によるショーケース Vol.1
2023.2/10(金) Vol.2 2/11(土・祝)各日19:00
室内楽演奏会
2/12(日)15:00
東京芸術劇場 シアターイースト
問:東京芸術劇場ボックスオフィス0570-010-296
https://www.geigeki.jp