春祭ジャーナル Pick Up♪『プッチーニ』

東京・春・音楽祭公式ウェブサイトで掲載中の「春祭ジャーナル」。音楽祭のプログラムや出演アーティストの魅力を紹介する人気コーナーから、選りすぐりの記事をPick Up!

春祭ライブラリー『プッチーニ《トスカ》』
2022年の《トゥーランドット》が好評を博した「東京春祭プッチーニ・シリーズ」。読売日本交響楽団と東京オペラシンガーズ、そして世界的に活躍する指揮者と歌手陣がつくりあげる次回の演目は、プッチーニ屈指の人気作《トスカ》です。オペラ評論家・香原斗志さんと音楽評論家・鈴木淳史さんによるコラムは読み応えたっぷり!

血生臭い《トスカ》のドラマを動かす
あまりにも隔たった恋人同士の考え方

あまりに血生臭いオペラ
 《トスカ》ほど血生臭いオペラは少ない。戯曲は1日のあいだに、1つの場所で起きる、1つの物語を追わなければいけない、という古典的な「三一致の法則」を踏襲しているが、たった1日のうちに、登場人物たちの身に降りかかるできごとはあまりにむごい。
 陰謀、拷問、強姦、殺人、処刑、自殺……。それらが織り込まれた奔流に彼らは飲み込まれ、身動きがとれないまま、アンジェロッティ、スカルピア、カヴァラドッシ、トスカと、主要な登場人物4人が相次いでこの世から去る。……

文・香原斗志(オペラ評論家)

カラスの《トスカ》

絶頂期のカラスが聴ける《トスカ》
 予算が厳しくなると、《トスカ》の演目が増える。真偽のほどは定かではないが、よく耳にする歌劇場あるあるネタだ。
 《トスカ》は、主要登場人物は三人だけで、合唱の登場も少ない。舞台装置も大掛かりなものは必要ない。それにもかかわらず、これほどまでに緊張感あふれるドラマティックなオペラは多くない。魅力的なアリアだってある。確かに、歌劇場にとってコストパフォーマンスに優れた作品といっていいのかも。……

文・鈴木淳史(音楽評論家)

2022.4/15《トゥーランドット》(c)Spring Festival in Tokyo 2022 Fumiaki Fujimoto

【関連公演】
■東京春祭プッチーニ・シリーズ vol.4
《トスカ》(演奏会形式/字幕付)

4/13(木)18:30、4/16(日)15:00 東京文化会館
●出演
指揮:フレデリック・シャスラン
トスカ(ソプラノ):クラッシミラ・ストヤノヴァ
カヴァラドッシ(テノール):ピエロ・プレッティ
スカルピア(バス・バリトン):ブリン・ターフェル
アンジェロッティ(バリトン):甲斐栄次郎
堂守(バス・バリトン):志村文彦
スポレッタ(テノール):工藤翔陽
管弦楽:読売日本交響楽団
合唱:東京オペラシンガーズ
合唱指揮:仲田淳也 他
●料金(税込)
S¥25,000 A¥20,500 B¥16,500 C¥13,500 D¥10,000 E¥7,000
U-25¥3,000(U-25チケットは2023.2/16(木)12:00発売)

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