期待の新星が初来日! ヴァン・クライバーンの覇者、イム・ユンチャン(ピアノ)

イム・ユンチャン

 2022年6月に開催された第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで最年少優勝を果たしたイム・ユンチャンが、12月3日に日本デビューリサイタルを開催する。その前日、東京都内で初来日記者懇親会が行われた。
 イム・ユンチャンは韓国生まれの18歳。まずは初めて訪れたという日本の印象について、「尊敬する多くの音楽家たちが日本で演奏しています。そのためなのか、昨日入国したとき、その方々の魂を感じたような気がします」。日本でやりたいことは、「まずは明日の演奏会を素晴らしいものにすること。日本の観客の情熱的な心を見たいですし、東京の雰囲気も感じてみたいと思います」。
 23年2月には、ミハイル・プレトニョフ指揮東京フィルハーモニー交響楽団との共演のために再来日することも決定している。東京フィルは、同じく韓国生まれのチョン・ミョンフンが名誉音楽監督を務めており、2月の公演はマエストロ・プレトニョフの提案で共演が決定したそう。「プレトニョフ先生はピアニストとしても尊敬していますし、とても光栄です」「国籍を越えて、ひとりの芸術家同士として音楽をつくることに意味があると思います」と共演への意気込みを語った。日本のアーティストでは、内田光子や小澤征爾を尊敬しているそうで、コンクールの現場では若い日本人演奏家とも交流してきたとのこと。
 12月3日のリサイタルでも披露するオルランド・ギボンズをはじめ、ウィリアム・バードなどのルネサンス音楽やバッハなどのバロック音楽にも興味があり、「ベートーヴェンのピアノ・ソナタやバッハの『平均律』は全曲演奏に挑戦してみたい。そして、音楽にあまり触れていない人々に向けての演奏活動もいつか行なっていきたい」と、現在の夢も語ってくれた。会見では、緊張した面持ちながら、真摯に質問に答える様子が印象的だった。

 12月3日公演のチケットはすでに完売しており、韓国からの購入者も多かったという。先日、ドイツ・グラモフォンからベートーヴェンのピアノ協奏曲「皇帝」等の録音がリリースされたばかりで、同曲は2月の東京フィルとの共演でも聴くことができる。来年以降も世界を舞台にしたコンサートの予定が入っている期待の新星から、目が離せない。

【Information】
スーパーソリスト達による秋の特別コンサート Vol.4
イム・ユンチャン ピアノ・リサイタル

2022.12/3(土)19:00 サントリーホール【完売】

第152回東京オペラシティ定期シリーズ
2023.2/22(水)19:00 東京オペラシティコンサートホール
第980回サントリー定期シリーズ
2/24(金)19:00 サントリーホール
第981回オーチャード定期演奏会
2/26(日)15:00 Bunkamuraオーチャードホール
●出演
東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:ミハイル・プレトニョフ
ピアノ:イム・ユンチャン*
●曲目
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番『皇帝』*
チャイコフスキー/マンフレッド交響曲

ジャパン・アーツ
https://www.japanarts.co.jp/artist/limyunchan/