【SACD】R.シュトラウス:アルプス交響曲/小泉和裕&名古屋フィル

 名古屋フィル第500回記念定期演奏会ライブ。音楽監督・小泉和裕の指揮による壮大で華麗な演奏であり、R.シュトラウスが書いた精緻で色彩豊かなオーケストレーションを見事に音化している。冒頭の「日の出」から奥行きのある響きが印象的だ。最大の聴きものは「頂上にて」で圧倒的な金管群が雄大な山容と眺望を表現する。小泉=名フィル・サウンドの威力を見せつける。続く「景観」でも弦の美しさが際立ち、ティンパニの激しい打ち込みがとどめを刺す。破天荒な「雷雨と嵐、下山」もとてもいい。小泉と名古屋フィルの高性能アンサンブルによって音の絵巻を隅々まで存分に堪能できる。
文:横原千史
(ぶらあぼ2022年11月号より)

【information】
SACD『R.シュトラウス:アルプス交響曲/小泉和裕&名古屋フィル』

R.シュトラウス:アルプス交響曲

小泉和裕(指揮)
名古屋フィルハーモニー交響楽団

収録:2022年4月、愛知県芸術劇場 コンサートホール(ライブ)
オクタヴィア・レコード
OVCL-00788 ¥3520(税込)