オルガン・リサイタル・シリーズ46 近藤岳 オルガン・リサイタル

リニューアル・オープンを華やかに祝うオルガンの響き

(c)平舘平

 壮麗なオルガンの調べで、深まりゆく秋の港町・横浜で週末のひとときを楽しんでみませんか? ーールーシーの愛称で長らく親しまれてきた横浜みなとみらいホールのオルガン。1ドルまたは100円で楽しめるランチタイム・オルガンコンサートは、音楽ファンはもちろん近隣市民の憩いの場でもあった。改修で休館していたホールのリニューアルオープンは、10月29日。以後、11月末まで記念コンサートが目白押しだが、2022年度から2代目のホール・オルガニストに就任した近藤岳が、再開後の初オルガン・リサイタルを担当する。プログラムは、きらびやかなルーシーの魅力が引き立つフランス・シンフォニックオルガンのレパートリーである。近藤は東京藝大、同大学院修了後、パリで研鑽を積み、内外のソロ・リサイタルに加えて、作曲・編曲でも活躍している。今回のプログラムはまさに洒脱なエスプリを身につけてきた近藤ならではの選曲だろう。

 リサイタルは、19世紀末から20世紀初頭のフランスで奏者、教師としても活動したシャルル=マリー・ヴィドールの「オルガン交響曲第6番ト短調」 で始まる。続いてオルガン即興の名手としても名高いマルセル・デュプレの洒脱な「3つの前奏曲とフーガ op.7」。締めくくりは、セザール・フランクの敬虔な中にも華やかさのある「3つのコラール」より 〈コラール第1番ホ長調〉だ。どの作品も色鮮やかで洗練された響きに包まれており、ホールが美しい輝きで満たされることだろう。
文:伊藤制子
(ぶらあぼ2022年11月号より)

2022.11/25(金)19:00 横浜みなとみらいホール
問:横浜みなとみらいホールチケットセンター045-682-2000
https://yokohama-minatomiraihall.jp