【CD】3つの弦楽四重奏曲~ドビュッシー、ラヴェル、フォーレ/古典四重奏団

 古典四重奏団の新録音は、意外にも近代フランス名曲集。これがすばらしい成果! 彼らならではの凄まじい精度と澄んだ音色で作るハーモニーがとにかく美しい。丁寧に和声の流れを紡げば、自ずと“フランスもの”の香りが立ちのぼる。スコアの微細なニュアンスを掬い上げれば、豊穣な世界が生み出される。なかでもドビュッシーは驚異的な名演で、緩徐楽章には陶然とさせられた。ラヴェルは折り目正しさの中に雄渾さもあり、演奏機会の多くないフォーレは精妙にして幽玄。いずれも作品の真価を余すところなく表現。日本人団体のフランスものとして、比類なく傑出したアルバム。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2026年2月号より)

【information】
CD『3つの弦楽四重奏曲~ドビュッシー、ラヴェル、フォーレ/古典四重奏団』

ドビュッシー:弦楽四重奏曲/ラヴェル:弦楽四重奏曲/フォーレ:弦楽四重奏曲

古典四重奏団
【川原千真 花崎淳生(以上ヴァイオリン) 三輪真樹(ヴィオラ) 田崎瑞博(チェロ)】

クレアシオン
CRT-2401 ¥3300(税込)


林 昌英 Masahide Hayashi

出版社勤務を経て、音楽誌制作と執筆に携わり、現在はフリーライターとして活動。「ぶらあぼ」等の音楽誌、Webメディア、コンサートプログラム等に記事を寄稿。オーケストラと室内楽(主に弦楽四重奏)を中心に執筆・取材を重ねる。40代で桐朋学園大学カレッジ・ディプロマ・コース音楽学専攻に学び、2020年修了、研究テーマはショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲。アマチュア弦楽器奏者として、ショスタコーヴィチの交響曲と弦楽四重奏曲の両全曲演奏を達成。