庄司紗矢香(ヴァイオリン) ジャンルカ・カシオーリ(フォルテピアノ)

高みへと誘う唯一無二の響き

文:伊熊よし子

庄司紗矢香(c)Norizumi Kitada

 庄司紗矢香は、ルドルフ・バウムガルトナー、ユーリ・テミルカーノフ、メナヘム・プレスラーをはじめとする巨匠との共演から多くを学んでいる。彼女は昔の録音も好きで、パリの自宅の近くで古いLPを見つけ、よく聴いている。そうした演奏は聴き手を日常から解放し、高いところに連れていってくれると語る。
「音楽は日常から解放されて異次元の世界へといざなうものだと思いますが、昔の巨匠たちの演奏のように、私もいつもそうした高みに自分も上りたいと願っています」

ジャンルカ・カシオーリ(c)Matteo_Maso

 今回は盟友のジャンルカ・カシオーリのフォルテピアノとの共演で、その高みを目指す。カシオーリとはモーツァルトをはじめ数々の作品で共演。今回はふたりの音がひとつの声のように融合する「クロイツェル」が聴きどころ。庄司紗矢香の集中力に富む緊迫感あふれる弦の響き(1729年製ストラディヴァリウス「レカミエ」)とカシオーリの古雅な響きが和し、聴衆を天空へと運んでくれるに違いない。

■庄司紗矢香(ヴァイオリン)ジャンルカ・カシオーリ(フォルテピアノ)
2022.12/3(土)13:00 北九州市立響ホール

●曲目
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ 第28番 ホ短調 K.304(300c)
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ 第35番 ト長調 K.379(373a)
C.P.E.バッハ:ファンタジア Wq.80(H.536)
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調 op.47「クロイツェル」
※当初予定していた曲目から変更となりました
●料金
S席¥5,000 A席¥3,500 U-25(A席)¥2,000

2022北九州国際音楽祭
2022.10/9(日)〜12/3(土) 北九州市立響ホール、北九州ソレイユホール、西日本工業倶楽部 他
問:北九州国際音楽祭事務局093-663-6567
※公演の最新情報は公式ウェブサイトでご確認ください。