クレンペラー、カラヤンが率いた名門歌劇場が横須賀に
ハンガリー国立歌劇場は、ウィーン国立歌劇場とともにハプスブルク帝国の二大王立歌劇場として140年近くの歴史を誇る。1884年の開場時には、フランツ・ヨーゼフⅠ世が臨席したという由緒正しいエピソードが残る。開場後まもなくグスタフ・マーラーが音楽監督に就任し、黄金時代を築いた。その後もアルトゥール・ニキシュ、オットー・クレンペラーなど錚々たる巨匠が音楽監督を務めている。現在は、音楽監督というポストではないもののヤーノシュ・コヴァーチが中心となっている。また、バルトークの《青ひげ公の城》やコダーイ《ハーリ・ヤーノシュ》などがここで初演されている。
そんな名門劇場がこの11月、よこすか芸術劇場にやってくる。演目は、オペラ初心者にも親しみやすい名作モーツァルトの《魔笛》。王子タミーノがパミーナを助けにザラストロの神殿に乗り込むという物語で、高音のコロラトゥーラが連続する夜の女王のアリアや、お供のパパゲーノと恋人パパゲーナによる「パパパの二重唱」など親しみやすい音楽が満載。ソリスト陣もみな、ハンガリー国立歌劇場のメンバーたちで、いわば「ハンガリー・チーム」がそろって横須賀にやってくることになる。また本公演はS席が15,000円とオペラ公演としてはたいへんリーズナブルなのも魅力。しかも24歳までの学生であれば一般席の半額で鑑賞することができる。ぜひ初めてオペラを観るという若い方や、家族そろってのオペラ鑑賞に選んでほしい。
文:室田尚子
(ぶらあぼ2022年10月号より)
2022.11/3(木・祝)15:00 よこすか芸術劇場
問:横須賀芸術劇場046-823-9999
https://www.yokosuka-arts.or.jp