岡田奏 ピアノ・リサイタル

変奏曲の傑作をダイナミックに

(c)Makoto Kamiya

 岡田奏はパリ国立高等音楽院にて研鑽を積み、各国の指揮者やオーケストラとの共演も重ねる注目のピアニスト。その凛としてエレガントな音楽作りはプーランク国際ピアノ・コンクールやピアノ・キャンパス国際コンクールで優勝に輝き、高く評価されてきた。そんな岡田が、この秋待望のセカンド・アルバムをリリースするにあたり、武蔵野市民文化会館にて記念リサイタルを行う。プログラムからは、岡田が “変奏曲形式”にフォーカスしていることがわかる。

 曲目はラモーの洒脱な「ガヴォットと6つのドゥーブル」、抒情的な主題がよく知られるラフマニノフの「コレルリの主題による変奏曲」、そしてシューマンの「交響的練習曲」だ。シューマンの作品は主題とその変奏を含む12の練習曲からなり、まさに交響的=オーケストラ的な立体感を表現することが求められる大曲だ。豊かな音色のヴァリエーションを持つ岡田のピアノが、充実した作品像を浮かび上がらせてくれることだろう。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2022年10月号より)

2022.10/29(土)14:00 武蔵野市民文化会館(小)
問:パシフィック・コンサート・マネジメント03-3552-3831 
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